研究課題/領域番号 |
21K10741
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小野 美穂 岡山大学, 保健学域, 准教授 (20403470)
|
研究分担者 |
太田 浩子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (90321207)
上田 伊佐子 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90735515)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | ピアサポート / ピアサポーター / ピアサポートプログラム / AYA世代のがん / 体験知 / ケアシステム / 患者中心の医療 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,医療・看護分野において専門分野の細分化・複雑化が加速度的に進んでおり,医療・看護ケアの「専門知」偏重が懸念される。このような現状においては,より患者の声や体験が反映されやすくそれを常態化させるような多面的で包括的な援助の重要性が増し,そのような医療支援システムの構築が重要な課題である。本研究では,患者の体験知を効果的に医療・看護に取り入れ生かすために,ピアサポートの場を活用し,患者の体験知を「集め」,体験知を「見える化」し,それを医療者に「届け」,医療・看護に「生かし」,患者へ還元する一連のケアシステムを構築し,そのシステム活用の実践・評価を目指す。
|
研究実績の概要 |
これまでの調査で、全国のがん診療拠点病院のがん相談またはピアサポーター事業の担当者が「ピアサポートの場がない,希少疾患であるなどの理由でピアサポートの場が必要と考えられる疾患」として上位に挙がった「AYA世代のがん」について検討を進めた。「AYA世代のがん」については、若年人口の少ない地域や希少がんの患者、家族・遺族は、自分のニーズにあったピアに出会うことが困難であること、がん診療拠点病院等の患者サロンやピアサポート事業でも対応しきれていない現状があること,AYA世代の患者は,就学、就労、結婚、妊娠、出産などライフステージの大きな変化の時期であるため、悩みや必要とする支援ニーズも多様、かつセンシティブな課題を抱えており、それらのAYA世代の特性を踏まえた悩みや困難に対応できるようなピアサポートトレーニングを受ける機会もないことからピアサポーターの養成自体も難しいことが明らかとなり,AYA世代のがん患者は、医療支援の難しさもさることながら、ピアサポート支援を受けるにも偏りや難しさが非常に大きいことが分かった。 がんピアサポートについては、患者にとって、非常に効果があり病気とともに前向きに生きていく糧となるようなピアサポート支援が多くある一方で、ピアサポーターの質への課題や再発や悪化している患者と出会ってしまい逆にネガティブな印象をもってしまう患者がいるなど、難しい課題も併せ持っている。 近年、国に対して、患者数の地域格差、患者の多様性、患者会の運営基盤の脆弱性、ピアサポーターの更新性を考慮したうえで、AYA 世代のピアサポートの質の確保し持続可能な活動となるような対策を推進するよう要望が出された。このように、AYA 世代のピアサポートの充実は喫緊の課題である。今後、AYA 世代のがんに焦点を絞り、ピアサポート推進に向けた研究調査に進んでいく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究スタート時点から数年間続いたCOVID-19の影響で、ピアサポート活動自体が行えてなかった、または活動が難しかった期間があり、スタートが遅れ、しばらくピアサポート活動に関する研究も予定通りに進めることができなかった時期があったため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、AYA 世代のがんに絞った文献検討を十分に行い、AYA 世代のがんピアサポート活動の調査、AYA 世代のがん患者やAYA 世代のがん患者を支援している医療者へのインタビュー調査を進めていく。共同研究者とも2か月ごとに研究会を開催し、また、AYA 世代のがん患者を支援している医療者とのネットワークを作り、関連学会や研究会などに参加し、研究の推進に努める。
|