研究課題/領域番号 |
21K10762
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鷲見 尚己 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (30372254)
|
研究分担者 |
佐藤 三穂 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (00431312)
青柳 道子 北海道大学, 保健科学研究院, 講師 (30405675)
矢野 理香 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (50250519)
大島 寿美子 北星学園大学, 文学部, 教授 (60347739)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 外来 / 療養支援 / がん / 高齢者 / サポーティブケア / 在宅療養支援 / 当事者の経験・評価 / 外来看護師 / 患者の経験 / 移行理論 / 外来治療 / 質評価 / 在宅療養 / 移行ケア / 語り |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、外来通院中の当事者(患者や家族)の移行体験を、当事者の語りや経験レビューから“患者の経験”を明らかにし当事者の経験評価を構造化すること、そして、構造化されたニーズに対応する外来在宅療養生活支援モデルを構築することを目指すものである。これは、当事者の視点を重視した当事者の移行体験に基づく新しい支援モデルの開発であり、外来看護師は、理解や把握に困難があった当事者の体験について、当事者自身と共有しながら患者のニーズに即した生活支援を可能にするものであり、臨床的意義は大きいと考えている。同時に、外来における在宅療養に関する新しい看護師教育法の検討も可能になると考える。
|
研究実績の概要 |
今年度は、がん患者(難治性がん、女性がん)及び高齢がん患者などを主に在宅療養支援ニーズについて、当事者と当事者に関わる看護師の視点について調査を実施した。1)外来通院するがん患者のサポーティブケアニーズの構造の解明においては、薬物療法を受けるがん患者当事者の視点から明らかになったことは、治療に伴う症状マネジメントを主体に療養生活に向かう生活支援、そしてエンドオブライフに向けた心身及び生活の準備であった。特に難治性がんの患者の支援ニーズは療養生活からエンドオブライフにかけて、またスピリチュアルな面まで幅広く、多面的な支援の重要性が示唆された。2)高齢患者においては、治療継続、症状マネジメント、生活支援の必要性と非常に複雑にニーズがあることを看護師は認識していた。高齢者の場合には、独居及び高齢夫婦世帯におけるセルフケアの継続と介護的要素に関連する生活支援に関わるケアの計画化と実践に困難を要していることが明らかとなった。病院内での支援部署の連携のみならず地域での他職種連携の必要性が示唆された。女性がんに関しては、当事者の療養生活における自立度は高いものの、治療とセルフケアにおける相談窓口に課題があり、看護師も同様に課題と困難として認識していたことが明らかとなった。現在、看護師の評価に関しては分析を継続しているところではあるが、当事者のニーズと支援者の認識に相違が明らかとなった。このことはケアアセスメントにおいての修正点であり、介入方法の再検討を行うこととする。当事者及び看護師調査のこれらの分析結果をもとに、外来での介入方策を検討し実践評価を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当事者の調査の実施に時間を要したこと、臨床での療養支援プログラムの実行体制に変更が生じたことから、プログラム構築に時間を要している。次年度は早急に外来でのニーズ分析とケアプログラムの検討を行う。特に介入対象者を薬物療法患者、高齢がん患者及び循環器疾患の高齢者に限定し、効果的に研究実施が可能になるように対処する。
|
今後の研究の推進方策 |
特に介入対象者を薬物療法患者、高齢がん患者及び循環器疾患の高齢者に限定し、効果的に研究実施が可能になるように対処する。特定の条件の対象者(当事者)へのケアアセスメントとケアプランを外来看護師と研究分担者で検討し実施すること、アウトカム評価に関しては長期的評価より短期および中期的評価を中心に行うこととする。
|