研究課題/領域番号 |
21K10773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
深田 順子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (60238441)
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研究分担者 |
鎌倉 やよい 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, その他 (00177560)
渡邉 直美 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40736782)
米田 雅彦 愛知県立大学, 看護学部, 名誉教授 (80201086)
坂上 貴之 慶應義塾大学, 文学部(三田), 名誉教授 (90146720)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 頭頸部がん / 化学放射線療法 / 摂食嚥下障害 / 看護プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
1.化学療法・放射線療法同時併用療法(CCRT)を予定している中咽頭・下咽頭・喉頭癌患者に対して、CCRT前・治療中・治療後9か月までの摂食嚥下機能、栄養状態、QOLの推移を明らかにする。 2.1の結果や国内外文献検討からCCRT中・後の摂食嚥下訓練の内容を検討する。さらにCCRT前から継続して摂食嚥下訓練ができる方策を行動分析学の強化の原理に基づいて検討し、看護プログラムを開発する。 3.CCRTを予定している中咽頭・下咽頭・喉頭癌患者に対して、開発した看護プログラムを実施することを依頼し、その効果を明らかにする。
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研究実績の概要 |
目的:化学放射線療法(Chemoradiation therapy:CRT)を受ける頭頸部がん患者の治療開始前から治療終了9か月後におけるCRTによる有害事象と摂食嚥下機能を前向きに観察した。 方法:2021年8月から2023年4月に頭頸部がんでCRTを受け,研究参加の同意を得た患者33名に対し、主要評価項目として摂食嚥下機能を評価するMTFスコア(Method Time Food score)、摂食嚥下機能に関する症状、舌圧、改訂水飲みテスト(Modified Water Swallowing Test:反復唾液嚥下テスト(Repetitive Saliva Swallowing Test:RSST)及び頸部聴診を、副次評価項目として摂食嚥下機能に影響する有害事象(粘膜炎・皮膚炎、疼痛)、唾液量・成分(pH・ラクトフェリン)及び栄養状態を前向きに調査した。 結果:死亡・再発等で研究を中断した者を除いた22名を分析した。MTFスコアを測定できた急性期(治療後1月まで)17名、潜伏・晩期(治療後9か月まで)16名を分析した。急性期では、MTFスコアは治療前と比べ治療開始6週までが有意に低下し、治療後1か月には有意に増加した。治療開始4週では飲み込み、口腔乾燥と粘調唾液の症状スコアが有意に上昇した。舌圧、MWST、RSST、頸部聴診の推移に有意差はなかった。粘膜炎のスコアは治療開始4~6週にかけて有意に上昇した。潜伏・晩期では、治療後3か月に疼痛のNRSは有意に減少、摂食嚥下機能は有意な変化はなく、治療後9月でMWST、RSSTの陽性者が残存した。治療開始4・6週の粘膜炎と疼痛のスコアはMTFスコアと負の相関があり、治療後6・9か月でも疼痛はMWSTと負の相関があった。 考察:上記の結果を受けて急性期と潜伏・晩期における摂食嚥下障害看護プログラムを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リクルート期間の1年8か月間で33名しかデータ収集ができなかった。その理由は、COVID-19の影響による患者数の減少とクラスターによる入院制限や外来通院治療への移行による影響であった。また、治療開始から治療後9か月まですべてデータが収集できた患者11名であり、化学放射線療法が初回に根治治療として選択されるのは進行がんである場合が多く、再発などの理由で継続してデータが収集できなかった。治療後9か月までのデータ収集は2024年2月に終了したため、進捗状況としてはやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年から2023年までの観察研究の結果と国内外文献検討から、化学放射線療法(Chemoradiation therapy:CRT)を受けた患者に対し、急性期から潜伏・晩期における摂食嚥下機能を継続的に観察し、摂食嚥下機能の低下を早期に発見するとともに、早期に対応できる摂食嚥下障害看護を検討する。 2021年から2023年までの観察研究の結果を第30回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会(福岡)で発表するとともに日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌へ投稿する予定である。
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