研究課題/領域番号 |
21K10780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
大木 友美 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (60383551)
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研究分担者 |
増山 英理子 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (90459214)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 遠隔集中医療 / ICU看護師 / 看護 / ケアモデル |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では、急速に遠隔医療システムが導入されているが、遠隔医療での医療者の役割を明確にしていく必要がある。遠隔医療は、集中治療(以下,ICU)分野でも導入され、患者回復アウトカムへの期待が高い。さらにCOVID-19を機に導入が加速化してきている。しかし、まだ導入初期のため医療者の役割は明確でなく、ケアモデルは未開である。遠隔集中治療(以下,遠隔ICU)において、看護師の参入も始まっているが、国内では前例がなく、今後、看護ケアモデルを開拓していく必要がある。そこで本研究では、「遠隔集中治療における患者回復アウトカムへつながる看護ケアモデルの構築」を行うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
遠隔医療は、地域医療の分野で広がりを見せているが、近年、集中治療(以下,ICU)分野でも導入されている。世界中のコロナ感染症流行により、医療の場では、直接患者に接触できない状況が出ており、遠隔から患者を観察できるシステムの重要性は高い。すでに米国では、遠隔医療システムの実績が報告されているが、日本では、導入費用の問題もあり、導入施設は限られている。また遠隔医療に関して医療従事者を含む国民のリテラシー不足があり、遠隔医療での医療者の役割を明確にしていく必要がある。しかし、日本国内では導入初期のため医療者の役割は明確でなく、ケアモデルは未開である。 遠隔集中治療(以下,遠隔ICU)において、看護師の参入が始まっているが、国内では前例がなく、今後、看護ケアモデルを開拓する必要がある。そこで本研究では、「遠隔集中治療における患者回復アウトカムへつながる看護ケアモデルの構築」を行うことを目的とする。これは今後、遠隔ICUが発展していく中で、実践可能なモデルを開発させていく上での有用な資料となり得る。 令和4年度は、研究分担者と国内外の新たな研究動向を確認した。米国では遠隔ICUのガイドラインが提示されたので、研究の参考にした。またICUには看護師だけでなく、医師、理学療法士、作業療法士などもケアに参入し、協働している。よって、看護ケアモデルの構築の際に、リハビリ部門医療者の影響も検討する必要が示唆されたので、専用のアンケートを検討した。またすでに研究協力メンバーである遠隔ICU看護師の専属看護師1名以外に、集中治療の経験が20年を超える看護師を1名確保し、臨床での看護師協力者は2名になった。昨年実施した、集中治療看護師へのプレインタビュー内容や関連文献から、看護師用のアンケートを完成した。倫理委員会から研究実施について承認を得、その後、全国のICUを持つ病院にアンケート調査依頼した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遠隔ICU患者に関わるのは、看護師だけでなく、医師やリハビリ関係の医療者もいるため、看護師以外の対象者への調査も検討し、追加で文献検討を実施した。令和4年度は新型コロナウイルス感染症の再流行に伴い、重症度の高い患者ケアを行うICUは常に緊迫感を抱えており、実施時期を検討する必要性があった。研究協力者の所属するICUのコロナ感染者動向も捉えながら、調査に適した時期を模索した。感染力の高いオミクロン株の流行で、医療者本人や医療者の家族のコロナ罹患による濃厚接触で従事可能なICU看護師の人数が不足し、急性期部門での看護師の必要人数が不足した事態に陥った。このような背景があり、わが国では調査対象である遠隔ICUの稼働が一時停止したこともあった。コロナ感染症の流行を監視し、研究協力者と協議を重ね、全国調査の実施時期を感染症患者が最も減った3月に調査依頼を開始した。
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今後の研究の推進方策 |
遠隔ICUだけでなく一般ICUに従事する看護師の遠隔ICUへの期待、現在のICUケアの実態調査、およびICUに勤務する理学療法士、作業療法士との関わりと協働について調査するための文献検討及びアンケート調査を依頼した。このアンケートの回収後、分析、結果について学会や論文等で報告する予定である。これに加えて、ICU患者に対してケア時の看護師やリハビリ部門医療者の視線調査を行い、ケア時の観察視点を明らかにし、遠隔ICU看護師育成への教育視点やケアモデルへ活かせるような調査を実施する。この調査の対象となるICU看護師は、このコロナウイルス流行下でどの病棟の看護師よりも疲労感、疲弊感は甚大であり、心身ともに苦痛を生じている状況である。コロナウイルス流行も以前よりは減少してきているが、新たな型の感染者増加が報告されている。また重症患者に対応するICU看護師へのストレスも大きいことが予測される。十分な倫理的配慮のもとで調査時期を決定していく必要がある。また観察対象としている病院では遠隔ICU部門が独立し、専属の看護師も複数名設置されたので、遠隔ICU患者へのケア時の苦慮する点を明らかにすることができると考えている。
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