研究課題/領域番号 |
21K10787
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
村上 美華 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (90321950)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 乳がん / 化学療法 / 倦怠感 / セルフマネジメント / ケアプログラム / がん看護 |
研究開始時の研究の概要 |
がんやその治療に関連した倦怠感は、がん患者の多くが体験する苦痛を伴う症状であるにもかかわらず、発現機序は十分に解明されておらず、症状マネジメントが出来ていない現状がある。特に、我が国の乳がん患者は、家庭や社会で多様な役割を担う時期にがん治療を受ける状況に直面するため、倦怠感のマネジメントは、身体的苦痛の軽減だけでなく、役割を維持する意味でも重要である。 本研究は、化学療法を受ける乳がん患者の倦怠感セルフマネジメントを支援する、スマートデバイスを活用したケアプログラムを開発し、その有効性を検証するものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、化学療法を受ける乳がん患者の倦怠感セルフマネジメントを支援するハイブリッドケアプログラムを開発し、その有効性を評価することである。令和4年度は、以下2つの内容を並行して実施した。 ①対照群(パンフレットと記録用ダイアリーを使用した従来型のケア)のデータ収集 乳がんの術前/術後補助化学療法を受ける患者9名に対して、計2回のケアプログラムを実施し、介入前と介入後にデータを収集した。収集したデータは、プロセス評価(インタビューによる認知と行動の変化、自己効力感尺度による対処能力の向上)とアウトカム評価(多次元倦怠感尺度CFSによる「倦怠感の緩和」、QOL-ACDによる「QOL向上」、活動量計を用いた歩数の測定による「活動量の維持」)である。介入後は、効力感が有意に向上し、「歩数を確認しながら歩いた」など生活での取り組み内容からも対処能力の向上が示唆された。また、介入後のQOL得点が有意に上昇したことからQOL改善を認め、活動量も維持されていた。一方で、倦怠感は介入後に有意に得点が上昇しており、その要因として化学療法の影響が蓄積していることが推察された。 ②ケアプログラムで使用するスマートデバイスのプログラミング 「倦怠感について知る」「体調の波をつかむ」「対処法を見出す」「活動をひろげる」の4つの教材コンテンツと、「倦怠感」「効力感」の2つのセルフモニタリングツールを作成した。外来や化学療法室の待ち時間内での実施を想定し、教材およびセルフモニタリングツールは1つにつき3分程度、全てのプログラムに要する時間を20分程度でプログラミングした。最終確認を残し概ね完成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の感染拡大によりデータ収集が予定通りに実施できず、目標症例数には達することが出来なかったが、必要とするデータが得られたこと、ケアプログラムで使用するスマートデバイスのプログラミング完了の見通しがついたことから、今年度の目標は概ね達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、、教材コンテンツとセルフモニタリングツールのプログラミングを完了し、乳がん看護に携わる看護師(乳がん看護認定看護師、がん化学療法看護認定看護師、がん看護専門看護師)に実際に使用してもらうことで、ケアプログラムのシステム評価(有用性、実用性)を実施する。また、介入研究のプロトコル作成、倫理申請の手続きなど患者を対処とした研究に向けた準備を行う。
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