研究課題/領域番号 |
21K10811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
長山 豊 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (10636062)
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研究分担者 |
長澤 達也 金沢医科大学, 医学部, 講師 (10334773)
田中 浩二 金沢大学, 保健学系, 教授 (40507373)
中野 修 金沢医科大学, 医学部, 助教 (10967912)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ビジュアルナラティブアプローチ / 保護室 / 行動制限最小化 / リカバリー / ビジュアルナラティブ / オープンダイアログ / 治療的関係の構築 / 共同関係 / 回復や成長のプロセス / 相互性 / ビジュアル・ナラティブ / 患者ー看護師関係 / リカバリー志向型支援 |
研究開始時の研究の概要 |
保護室使用が長期化する患者は知的障害や発達障害を合併することが多く、患者は意思や感情を適切に伝えることが難しい。意思表出が困難な患者の内面の表出を促す看護師のアプローチは未開発であり、患者と看護師の間でヒエラルキーが生じやすい。本研究では、精神科病棟で保護室使用が長期化している患者に対して、視覚的イメージを介したビジュアルナラティブアプローチによる看護ケアの効果を検証する。本研究の意義は、視覚的イメージを通して患者の過去、現在、未来をつなぐ物語を紡ぎ出す関係性を構築することにより、患者と看護師間の共同で対等な関係性を形成し、患者の社会適応を促進する環境の構築に寄与することである。
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研究実績の概要 |
保護室使用患者へのビジュアルナラティブアプローチによる精神症状評価尺度およびリカバリー評価尺度の経時的な得点の変化・推移に関する解析手法として、マルチレベル分析に関する情報収集を行い、尺度得点の変化の特徴に関する分析技法について検討した。 また、精神科看護職の看護実践能力とリカバリーを支援する能力との関連に関する先行研究の知見を踏まえて、本研究におけるビジュアルナラティブアプローチにおけるリカバリー向上に向けた看護実践との共通点について検討した。本研究の枠組みはビジュアルナラティブアプローチを臨床の看護実践に結びつけていく接点を明確化することが課題である。看護師は、普段の看護実践において保護室使用患者の病気に対する捉え方、生活における気がかりや困りごとなど、患者が意識化・焦点化している内容について言語的な表出を促す関わりを試みている。この普段の看護実践に加えて、対象の内的表象をビジュアルナラティブを介して具現化することにより、患者の病気に対する捉え方に新たな意味づけをもたらしたり、生活における気がかりや困りごとに対する問題解決へのアプローチの変化が期待される。対象患者が投影した精神世界をビジュアルで浮かび上がらせて、そのビジュアルを介したナラティブの創出そのもののプロセスについて記述及び評価するための研究方法についても検討し、社会的相互作用の変化のプロセス・構造を導き出す修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチが適合する可能性があると判断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は、データの分析方法についての見直しを行い、研究計画の修正に時間を要した。さらに、研究対象施設でビジュアルナラティブアプローチを用いた介入に適応する対象の選定が進んでおらず、研究対象施設との調整が遅れてしまっていたため、データ収集の開始が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象施設の管理者に、研究実施が可能な対象の選定について早急に調整を行い、データ収集を開始する。また、データ収集と同時並行で、ビジュアルナラティブアプローチの介入の継続による精神症状評価尺度、リカバリー尺度などの得点変化、および、対象の病気の捉え方や生活上の気がかりや困りごとへの認識・感情・行動の変化について解析を進める。
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