研究課題/領域番号 |
21K10814
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
的場 圭 関西医科大学, 看護学部, 講師 (20780448)
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研究分担者 |
三木 明子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (30315569)
矢山 壮 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (30584552)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 虐待 / 不適切行為 / 精神科病院 / 精神科看護 / 不適切ケア / 精神科 / 暴力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、全国の精神科病院の看護職員による患者への不適切なケア・虐待の実態を調査し、防止策の構築を行う。虐待は行為者の問題だけではなく、環境、組織風土など様々な要因が関連しながら発生する。そこで本研究では、(研究1)全国の精神科病院の看護管理者を対象に虐待の認識と組織としての取り組みを調査し、(研究2)病棟看護職員への虐待の実態調査、(研究3)協力施設への実地調査を行い、行為者の特徴、虐待発生の環境、組織風土との関連を分析する。これにより、虐待を起こさない組織文化の醸成につながる組織的な防止策を検討し、組織管理や職員のストレスマネジメント、虐待防止のための研修などの指針を作成する。
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研究実績の概要 |
本研究は、全国の精神科病院に勤務する看護職を対象に入院患者への不適切行為および虐待の実態を明らかにし、虐待を起こさない組織文化の醸成につながる防止策を検討し、指針を作成することを目的としたものである。2023年度は、精神科病院看護管理者18名にインタビューを実施した。この調査により、看護管理者らは、精神科病院において虐待が起こる要因をして、古い精神科看護の名残や、長期入院・強制的治療環境による患者との上下関係、風通しの悪い看護チームとチーム全体の看護の力量の低さ、問題回避を優先する看護管理者の姿勢、精神医療制度の問題があると認識していた。また、2023年度は並行して精神医療サービス内で起こる医療従事者による患者への虐待に関するスコーピングレビューを進めた。あわせて精神科看護職者への質問紙調査を行う予定であったが、実施できない状況が続いた。職員への実態調査については、国内外の先行研究のレビューをもとに、質問紙の作成を行っているところである。現在も国内では精神科病院における患者への虐待の事例が報告されており、医療機関における虐待通報に関しても法制化された。このような状況において不適切行為、虐待の行為者の個人の責任だけに帰さない組織的な虐待防止策を検討する意義は大きい。今後は、先行研究でも精神障害者に対する虐待の実態が十分に明らかにされていないことから、本研究では、まず管理者を対象としたインタビュー調査をまとめていく。その後、インタビュー結果を踏まえて、調査用紙を作成、全国の精神科病看護管理者および看護職員を対象とした横断調査を実施し、指針を作成していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していたインタビューが遅れたことで、質問紙の作成を含めた全体の進捗がやや遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査、文献レビューはおおむね終えたため、それらの結果をもとに、質問紙を作成し、全国の精神科病院看護職を対象とした横断調査を実施していく。また、いくつかの先駆的取り組みを行っている精神科病院へのヒアリングも行い、防止策を検討、指針を作成していく予定である。
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