研究課題/領域番号 |
21K10878
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
立岡 弓子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70305499)
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研究分担者 |
土川 祥 (山下祥) 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40534201)
一杉 正仁 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90328352)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 添い寝 / 添え乳 / 乳房圧迫死 / 母乳育児 / 文化的伝承 / リスク評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、添い寝及び添え乳に関する実態と問題点について、①滋賀県内で過去5年間に発生した乳児の乳房圧迫死事故例から法医学・助産学の知見をもって検証していくこと、②それらの安全性・母子関係についての研究成果から添い寝及び添え乳に関する新たな見解を明らかにしていくことにある。 産婆時代から経験知として伝承されてきた添い寝及び添え乳が、高いリスクを伴う授乳行為であるにも関わらず、安全性の再検証がなされないままに、現在でも母乳哺育の文化のなかで続けられている実状に対し、その意義をあらためて問う研究である。
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研究実績の概要 |
授乳ケアを担う助産師への添い寝・添え乳に関する理解について実態調査を実施した。85名の助産師について回答を得た。乳児への「添い寝の正しい実施方法を学ぶ機会があったか」に対しては「学ぶ機会がなかった」が23名(27.1%)、「助産師学生時代に授業等で学んだ」23名(27.1%)、「助産師の先輩から学んだ」21名(24.6%)、「教科書等で学んだ」7名(8.2%)、「育児経験者から学んだ」5名(5.9%)、「セミナーや講演会で学んだ」4名(4.7%)であった。 「今までの就業施設で添い寝に関するマニュアルや方針があったか」に対して、「アニュアルがなく、助産師が独自の方法で指導を実施していた」と回答した助産師が26名(30.6%)、「添い寝が禁止されていた」21名(24.7%)、「マニュアルはないが添い寝を指導していなかった」20名(23.5%)、「マニュアルにて実施方法や指導方法が統一されていた」17名(20.0%)であった。 「添い寝が乳児窒息のリスク因子であると思う」と回答した者が57名(67.1%)、「リスク因子だと思わない」28名(32.9%)であった。添い寝を母親に指導している助産師が31名(36.5%)、指導していない助産師54名(63.5%)であった。 助産師自身の年齢や子どもの有無、添い寝・添え乳の実施経験はその指導や危険認識に関与していなかった。添い寝・添え乳による窒息のリスクを認識している助産師は約7割であり、認識していない助産師も授乳ケアに従事していることが明らかとなった。合併症のある母児には添え乳を推奨しない助産師が多いが、疲労感の強い母親、夜間授乳、未定頸の乳児は添え乳に適さない要因とは考えられていなかった。また、約半数の施設は添い寝・添え乳に関するマニュアル等が作成されておらず、添い寝・添え乳を実施する助産師もいる一方で、その推奨の是非に悩む助産師がいることも示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インターネット調査によりデータを回収したが、データセットの作成に時間を要し、また、詳細な解析と論文投稿(国際誌)に取りかかることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
乳幼児窒息死症例の司法解剖の剖検症例、授乳経験のある母親への添い寝・添え乳のヒヤリハット経験の実態、助産師への添い寝・添え乳の認識に関するデータをまとめ、国際誌への研究成果の発表をこの1年でタイムリーに実施していく。
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