研究課題/領域番号 |
21K10885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
椿 祥子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (10604861)
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研究分担者 |
泰羅 万純 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (00848658)
中山 静和 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (30728051)
市原 真穂 千葉科学大学, 看護学部, 教授 (70736826)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 重症心身障害児 / 家族のヘルスリテラシー / 例示 / 在宅支援 / 家族看護 / 障害児看護 / 事例 |
研究開始時の研究の概要 |
乳幼児期の重症心身障がい児(以下重症児)の家族は、感情が揺れる中、医療的ケアや療育を統合して育児に取り込み、他の家族員の生活をととのえつつ新たな家族員である重症児との生活を構築しなくてはならず、複数の解決困難な問題を抱える。そのため支援する看護師は、目標が描けず、関わりに困難感や無力感を抱きやすい。そこで、本研究では、その解決に向けて、看護に困難感を抱いている看護師の認識を患者の持てる力に着目するように変化させる効果があるベナー看護論の「例示」を活用して、「乳幼児期の重症児の家族のHLの獲得・発揮に向かう例示」を開発し、開発した例示を看護師に提示し、認識や関わりの変化を調査して効果を検証する。
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研究実績の概要 |
重症心身障害児(以下重症児)とその家族が地域で在宅生活を送るための支援の中で、文献数の多い「訪問看護」について、その実践内容を明らかにするために文献検討を行った。医学中央雑誌Web版で「障害児」「訪問看護」「原著論文」で検索すると93件の文献が得られた。 佐藤ら1)は、児の苦痛について、母親と看護師は両者とも「子どもの感情の読み取りに確証がもてない」ため、「情報を共有し一緒に苦痛の原因を特定し、よりよいケアを追求している」ことを明らかにした。大北ら2)は、「訪問看護師は重症児のケアに自信がないと感じる一方で、子どもの潜在能力を信じ、母親からの情報を活かすことで、看護の専門性を発揮したいと願っていた」ことを明らかにした。これらから、訪問看護師は、自らの観察だけではなく、『母親からの情報』を必要としていることがわかった。阿川ら3)は、訪問看護師は「母親の心情を察して」「母親の介護負担を軽減するように考慮」していることを明らかにした。坂川ら4)も、訪問看護師は「母親の身体的負担の軽減」「母親の心のケア」「肯定的な捉えの手助け」など、『母親の介護負担軽減』に向けた支援をしていたことを明らかにした。また、阿川ら3)は、訪問看護師は、『ソーシャルサポート体制を構築する』ことも役割であると述べていた。さらに、林ら5)は、訪問看護師の多くは「病院の看護師と連携」し、「保育機関や普通教育機関の看護職は同じ機関同士で連携を図って」おり、多くの看護職者は『看護連携を必要としていた』ことを明らかにした。 以上より、在宅生活を送る重症児とその家族を支援する訪問看護師の実践例を示す要素として、『母親からの情報』『母親の介護負担の軽減』『ソーシャルサポート体制』『看護連携』が明らかとなった。<例示>の開発時に、これらの要素を含む内容とすることが、効果的な内容につながることが推察された。
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