研究課題/領域番号 |
21K10898
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 人間環境大学 |
研究代表者 |
羽藤 典子 人間環境大学, 松山看護学部, 教授 (50626489)
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研究分担者 |
上西 加奈 人間環境大学, 松山看護学部, 助手 (10805948)
三並 めぐる 人間環境大学, 松山看護学部, 教授 (20612948)
城賀本 晶子 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (90512145)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 学童期 / 思春期 / 女性 / 冷え症 / 起立性調節障害 / サーモグラフィ / 冷水負荷試験 / 冷え関連症状 / 自律神経機能 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、子どもの運動不足や睡眠不足、日常的な冷暖房完備におけるライフサイクル環境が、自律神経系による体温調節を変調させ、低体温や低血圧に影響していると示唆されている。中でも起立性調節障害の症状とされる気分不快、立ちくらみ、動悸、めまいなどにより日常生活が著しく損なわれ、不登校やひきこもり等、学校生活やその後の社会復帰に大きな支障となることが考えられる。 本研究は、申請者が確立した「判別分析を用いた冷え症者と非冷え症者との識別指標」を援用し、学童期および思春期の児童・生徒を対象に、起立性調節障害の症状と冷え症状の関連性から身体的・心理的特性を明らかにし、その症状の緩和方法や予防策の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、サーモグラフィーによる手の表面温度の測定と血流計を用いた末梢血流動態の測定により、寒冷ストレス負荷後の回復過程を指標に、冷え症者の身体面および精神面の特性を研究し、判別分析を用いて冷え症者と非冷え症者との識別指標を確立した。その識別指標を援用し、学童期から思春期の女性の冷え症状とめまいや立ちくらみ、朝起きにくくやる気が減退するなどの症状を呈する起立性調節障害との関連性および身体的・心理的特性を明らかにすることで、症状の自覚のない女性の身体的特性や生活環境との比較を行い、症状の緩和策や予防法に関わる手がかりを得ることを目的とし、実験を予定していた。 令和5年5月よりCOVID19の感染症法上の位置づけが第5類へ移行することに伴い、直ちに予備実験を行った。 女子大学生を対象とし、冷え症状および ODの症状を抽出できるのか、また、冷えを感じていない女性と比較し、どのような特性を有しているのかについて、食生活・活動・睡眠など生活習慣との関連性を調査した。自律神経系の機能性の指数として心拍間変動を測定した。さらに、サーモグラフィを用いた皮膚表面温度の測定、非接触型レーザー血流計による末梢循環動態、冷水負荷試験後の手指皮膚表面温度の回復率の測定、血圧測定を実施した。その結果、統計学的有意差までは認められなかったが、先行研究に類似した結果が得られ、OD との関連について新たに取り組んだ起立性調節障害体調チェックシートや QTA30においても、冷え症群が非冷え症群に比べ、就寝前のスマホ使用時間の延長、総得点、身体症状、抑うつなどの項目において 2 群間で異なる数値を示していた。心電図測定では、OD に特徴的な HF 値や LF/HF 値に類似していたことから、冷え症と起立性調節障害をもつ者には何らかの関連性があると思われ、今後、この実験方法を活用することが有用であると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、令和3~5年に入るまで調査が困難な状況にあったが、令和5年5月よりCOVID19の感染症法上の位置づけが第5類へ移行することに伴い、ようやく一定環境下での実験が可能となった。 本研究は、学童期・思春期の児童生徒を対象とすることから、一連の実験方法や内容が負担なく実施できるかについて大学生を対象に予備実験を行い、実験方法が安全に活用できることを明らかにした。一方で、研究協力施設での調査については、本人および保護者の同意や実施の可能性を考慮し、施設で行える質問紙調査を先行する必要があるなど、スケジュールの変更を余儀なくされ、現在までに調査の実施には至っておらず、研究は大幅に遅れている状況に変わりはない。 令和6年2月に補助事業期間延長の申請が承認されたことから、研究協力対象者との調整と連携をはかり,第1段階:調査の実施、第二段階:実験を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の研究期間延長の申請が承認されたことから、現在、研究協力施設への調査依頼をかけている。 研究延長が承認された2024年度には研究を終了することができるようプロトコルの変更をし、第1段階として施設での調査研究を行い、学童期・思春期の児童生徒の冷えの自覚やその程度、めまいや立ちくらみ、朝起きにくくやる気が減退するなどの症状を呈する起立性調節障害との関連性および身体的・心理的特性を明らかにしていく。第2段階として、症状の有無で分けられた児童・生徒を対象に予備実験で確立した方法を用い、実験研究を行っていく。
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