研究課題/領域番号 |
21K10922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
玉村 尚子 獨協医科大学, 看護学部, 准教授 (50738771)
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研究分担者 |
横山 由美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (30263700)
吉原 重美 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80220713)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 食物アレルギー / 保育所 / 研修プログラム / 対応力 |
研究開始時の研究の概要 |
保育所では、給食における誤食対応、アレルギー症状出現時の対応、保育士間の連携不足や症状出現時の対応マニュアルの不足などの組織的対応、食物アレルギーに対する知識不足が問題となっている。そこで、本研究では、保育所の園長・主任保育士を対象とした食物アレルギー児への対応力を高めるための研修プログラムの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
2023(令和5)年度は、前年度の調査結果から、知識・技能を身につけ、実践に生かすことを目的としている意図的な学習のプロセスであるインストラクショナルデザインの中のADDIEモデルを参考に<研修プログラム プレテスト>を作成し、パイロットテストを実施した。介入期間は、1か月間、全7回であり、知識に関する内容は、e-ラーニングで実施し、エピペンの演習およびグループワークは対面で実施した。 <研修プログラム プレテスト>は、2024(令和6)年2月中旬から実施した。対象者は、30~50歳代、主任保育士、副主任保育士、保育士の3名であった。保育所の入園児数は、120~140名、食物アレルギー児数は、6~7名、保育所での食物アレルギー症状出現は2名が経験していた。研修会前アンケートに入力後に、4回のeラーニングを視聴し、1回目と3回目には、小テストを実施した。対面での演習は、2名を対象として実施した。演習は、エピペンの実演と保育所での食物アレルギー児への対応の課題と今後の対応について話し合った。 知識を問う小テストでは、研修会後の正解率は上昇した。アンケート結果から、研修プログラムについて、内容が変化に富んでいた、有益だったという回答が得られた。eラーニングの進め方については、「ちょうど良かった。空いた時間に受講できた」という意見や「eラーニングの時間を確保する時間がなかなかなかった」、「eラーニングの受講が初めての方には受講の仕方等事前に説明かあるとよりスムーズに進められると思う」という意見があった。演習については、「注射を打つという行為に抵抗があったが、演習を通して使い方を理解する事ができ、今後実際に使用する場面に遭遇した時すぐに学んだ事を活用できそう」という回答が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021(令和3)年度に文献検討、アンケート調査やインタビュー調査を実施する計画であったが、新型コロナウイルス感染症の影響や所属機関の生命倫理委員会の倫理審査の申請段階のため、文献検討以外は、翌年の実施となり、そのため現在までの進捗状況が遅れている。 2021(令和3)年度は、保育施設を対象とした食物アレルギーに関する研修会に関する国内外の先行研究を検索した。研修会は、アレルギーに関連する医療機関や医師会の開催が多く、講師は、アレルギー専門医を含む医師、薬剤師、小児アレルギーエデュケーター(以下,PAE)、看護師などであった。研修会の内容は、食物アレルギーの基礎知識、緊急時の対応、エピペントレーナーを用いた実技指導、意見交換会であり、開催時間は、40分~90分であった。 2022(令和4)年度は、栃木県保育協議会に加入している保育所を対象にアンケート調査を行い、140名(回収率68%)から回答を得た。99.3%の保育所が食物アレルギー児を受け入れており、保育中に食物アレルギー症状が出現した保育所は17.9%、そのうち64%が指摘されていない食材であった。eラーニングを1回に視聴できる時間は、30分以内が26.4%、60分以内が50.7%であり、e-ラーニング研修に89.3%が参加したいと回答しており、そのうち78.6%が仕事時間を希望していた。 つぎに全国508名のPAEを対象にWEB調査を実施し、104名(回収率20%)から回答を得た。職種は、看護師71%、管理栄養士18%、薬剤師11%であった。50%のPAEが就学前施設や学校を対象とした食物アレルギーに関する研修会を実施しており、そのうち84%がPAE看護師やアレルギー専門医と共に実施していた。 2023(令和5)年度は、研究実績の概要の通り、<研修プログラム プレテスト>を作成し、実施した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、昨年度実施した<研修プログラム プレテスト>の内容を検討し、<研修プログラム>を作成する。<研修プログラム>は、5月に実施し、研修会2か月後の7月に小テストと実技試験を実施する。その後、作成した研修プログラムを評価していきたいと考えている。その後、報告書作成および日本小児臨床アレルギー学会、日本小児アレルギー学会で本研究の成果を報告する。
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