研究課題/領域番号 |
21K10937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮田 潤子 (秋吉潤子) 九州大学, 医学研究院, 講師 (20380412)
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研究分担者 |
濱田 裕子 第一薬科大学, 看護学部, 教授 (60285541)
川田 紀美子 香川大学, 医学部, 教授 (70709592)
藤田 紋佳 九州大学, 医学研究院, 助教 (10437791)
森口 晴美 九州大学, 医学研究院, 助教 (40835477)
小幡 聡 九州大学, 大学病院, 助教 (30710975)
桐野 浩輔 九州大学, 大学病院, その他 (00621707)
植木 慎悟 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10779218)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 総排泄腔遺残 / 総排泄腔外反症 / 稀少難病 / ピアサポート / 当事者参加型 / アクションリサーチ / 難病 / 支援 / 移行期医療 / 総排泄腔遺残症 / 総排泄腔疾患 / 排泄障害 / 性機能障害 / 性分化疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
排泄障害が原因で女性としての自尊心に傷を負いながら成人に至る患者に対する支援を考える。その第一歩として、総排泄腔遺残症という排泄障害と性機能障害を合併する稀少難病の患者を対象として研究に取り組む。患者・家族、医療従事者が求める支援を明らかにし、全国的な支援体制構築の促進、支援の均てん化に繋げることを目指す。第一段階は患者・家族、医療従事者を対象にアンケート調査を行い、各々のニーズを明らかにする。第二段階として、第一段階の結果をもとに、患者・家族らによる闘病体験手記を出版する。患者の苦悩を広く公にし、現状に沿った情報が行き届かない全国の患者・家族へ患者側の視点による情報提供を行う。
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研究実績の概要 |
2021年2月と2022年3月に総排泄腔関連疾患に関するオンライン市民公開講座を開催し、Web上で無記名アンケート調査を実施し、その結果を解析・検討した。本研究は九州大学倫理審査委員会の許可を得て行った。2021年は患者10名、家族34名、2022年は患者5名、家族14名より回答が得られた。ピアサポートを希望する人はそれぞれ9/31/5/12(名)であった。希望する理由は「病気や治療の情報収集」「病気のことを気軽に話せる友人がほしい」「孤独感の軽減」「心の支え」の他、「自分自身の経験を役立ててほしい」の回答も多かった。一方、ピアサポートを希望しない理由として「人間関係がストレス」「自分のことを知られたくない」など他者との関係構築への不安に関する回答が患者に多かった。ピアサポートによりどのような変化を期待するか/変化があったか、とたずねたところ「治療やケアに前向きになれる/なれた」「孤独感が薄れる/薄れた」「生き方や生活に前向きになれる/なれた」の回答が多かった。一方、「他人と比較して悲しい気持ちになる/なった」という患者の回答も少数あった。ピアサポートの形は、顔が見える交流を希望する回答が多かったが、現在ピアとの繋がりがない患者では、顔を隠しての交流のみを希望する回答もあった。患者、家族ともに多くの人がピアサポートを希望し、その効果を実感していた。ピアと繋がることが稀少難病であるがゆえの孤独感を軽減し、心の支えとなり、治療や生活に前向きになるだけではなく、類似した境遇にある他患者らへの役に立つことで、「病気」というネガティブなものがいくらかでもポジティブなものになりうる可能性も生まれるものである。一方、ピアと繋がることに慎重な患者もおり、患者・家族の体験を書籍出版するという方法は、このような患者に対するピアサポートの一助となりうると考え、研究を引き続き続行する方針とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の研究計画では、患者・家族ら本人に手記を作成していただく計画としていたが、実際の当事者らに意見をうかがったところ、手記を執筆することへの不安や懸念に関する感想が多くみられた。このため、手記出版に関して、再考を行い、研究者自身が当事者らにインタビューを行い、それをもとに執筆したものを出版するという計画に変更した。研究計画の見直しならびに倫理審査委員会の申請準備等に時間を要しており、研究計画は当初より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に研究計画の見直しを図り、新たな方針は決定した。成果物である書籍の出版に関して、出版社との打ち合わせ、挿絵の作成者の選定方法などを検討してほぼ決定している。令和5年度には倫理審査委員会の許可を受け、当事者らへのインタビューを開始する予定である。
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