研究課題/領域番号 |
21K10943
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
山田 加奈子 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 講師 (90583740)
|
研究分担者 |
大橋 一友 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (30203897)
大川 聡子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (90364033)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 妊娠糖尿病 / 2型糖尿病 / 体重増加 / 産後健診 / 生活習慣病 / 生活習慣病予防 / 抑うつ / 妊娠高血圧症候群 / 産後うつ病 / メンタルヘスケア |
研究開始時の研究の概要 |
産後の女性は身体的症状や産後うつ症状など多くの症状を有し、妊娠合併症である妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群であった女性は将来の2型糖尿病、高血圧症の発症リスクも高く、産後の健康管理は極めて重要である。しかし産後1か月健診が終わると産後の女性の健康管理の視点は見逃され、医療従事者からの正しい診断や指導を受ける機会がない。産後の切れ目のない支援として、産後の女性の適切な妊娠合併症のフォローや生活習慣病予防を目的とした体系化された総合健診の必要性があると考える。本研究では、妊娠合併症のフォロー、産褥期のケア、メンタルヘルスケアなど女性の包括的産後ケアが提供できる産後3か月の総合健診の構築を目指している。
|
研究実績の概要 |
本研究は、妊娠合併症のフォロー、産褥期のケア、メンタルヘルスなど女性の包括的産後ケアが提供できる産後4か月健診の総合健診の構築を目指している。 妊娠合併症である妊娠糖尿病は将来の2型糖尿病を発症するリスクが高く、産後の適正体重や食事、運動など健康的な生活習慣の維持に加えて、定期的なフォローアップが推奨されている。妊娠中に増えた体重が非妊時体重に戻らない状態(postpartum weight retention; PPWR)になると、2型糖尿病を発症しやすい。PPRWを抑制することが、妊娠糖尿病の将来の糖尿病発症予防の重要な要因であることから、産後4か月のPPRWの要因を明らかにし、PPRWのハイリスク因子を同定することが重要であると考えた。そこで、大阪府の4自治体の4か月児健診に参加する女性を対象に質問紙調査を行った。現時点で質問票2805部を配布し、回収率は68.7%、そのうち有効回答率は87.6%であった。1690人の対象者のうち妊娠糖尿病既往女性は75人、正常耐糖能女性は1615人であった。妊娠糖尿病既往女性のPPRW体重は-0.8±4.2 kgであり、正常耐糖能女性のPPRW体重 1.7±3.3 kgに比較して有意に低かった。また、PPRW体重≧0.1 kgの妊娠糖尿病既往女性は32人(42.7%)、正常耐糖能女性は1080人(61.9%)と妊娠糖尿病既往女性が有意に低い結果であった。現在、質問紙の回収および分析の途中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では助産師による産後4か月健診の包括的産後健診を行う予定であり、研究全体としてやや遅れている状況である。しかし、昨年度修正した計画通り、今年度は横断調査を行うことで産後女性の健康課題の明確化につなげることができ、包括的産後健診の構築に向けて進んでいると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、産後4か月の妊娠糖尿病既往女性のPPRWに関する要因を明らかにし、ハイリスク要因を同定することを目的に、引き続き質問票の回収とデータ分析を継続する予定である。研究結果は、学会発表および論文投稿を計画している。
|