研究課題/領域番号 |
21K10952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 湘南鎌倉医療大学 (2022-2023) 聖路加国際大学 (2021) |
研究代表者 |
岡田 明子 (蛭田明子) 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 教授 (80584440)
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研究分担者 |
太田 尚子 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (50285053)
堀内 成子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 特命教授 (70157056)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 周産期喪失 / ペリネイタルロス / 流産 / 死産 / 新生児死亡 / 次の妊娠 / 死産後の妊娠 / 流産後の妊娠 / 次子妊娠・出産 / 悲嘆 / 次子妊娠 / メンタルヘルス / 心理支援 |
研究開始時の研究の概要 |
周産期に子どもを亡くした後の次子妊娠・出産は、女性にとって非常に大きなチャレンジである。次子を妊娠しても、喪失悲嘆はなくなるものではなく、トラウマ的な体験と向き合いながら女性は次子妊娠・出産をやり遂げる。本研究は、子どもを亡くし、次子の妊娠を考える女性を対象に、情報の提供と心理的介入により、悲嘆反応への適応と、次子の妊娠に伴う不安やストレスを跳ね返すしなやかな力(スキル)の獲得を支援するプログラムを開発する。プログラムの開発は、当事者である子どもを亡くした女性と共に、助産師・公認心理師・産科医師で協働して行う。研究期間は3年である。
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研究実績の概要 |
2023年度は、周産期喪失の中で最も多い、流産を経験した女性を対象とした冊子を作成した。冊子の中では、流産を経験した後のこころと身体の反応に始まり、次の妊娠よりも前に、まずはしばらくの間をどのように過ごすかに焦点をあてて、社会生活に適応できるこころと身体のバランスをとる具体的な方法の説明に、記載を多くした。また、次の妊娠を考えるうえで留意する点や、次の妊娠に向けての相談・検査(希望する場合)・助成制度等の情報を掲載した。 冊子は当事者や医療者、行政に広く配布した。冊子を配布した当事者に質問紙調査を実施したところ、冊子全体に対する評価は非常に高く、とても参考になるという意見であった。特に心理的な側面に関する情報は、流産に対して他者からの理解が得られにくい感情の波が、普通のことであることが分かり、安心したという意見や、気持ちが整理されるなど、肯定的な意見が多かった。また、流産後の過ごし方や次の妊娠に対する情報について、流産後の辛い状況下、自分で情報を探すしかない現状において、知りたい情報が詰まっており、有用であるとの意見であった。 上記冊子を手にした女性の反応や、2023年度の研究者らの活動から、喪失後の次子妊娠に向けた支援は、流産死産を反復することへの葛藤や、なかなか妊娠できないことへの葛藤など、必ずしも次の妊娠の成立が保証されたものではないことにも配慮が必要であることを改めて認識した。特に、次の妊娠に思考が集中してしまうことで生じるストレスの大きさにも目を向ける必要がある。こうしたストレスを抱える女性が、子どもを亡くした悲嘆そのものが理解されにくい社会で周囲にサポートを求めることは難しく、ストレスへの対処法を女性が知り、身につけることは、より一層重要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
情報媒体である冊子の作成・意見を聴取後、当事者に対するワークショップの内容を見直し、検討に時間がかかったため、開発が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
①ワークショップの内容は2023年度に検討を済ませている。7月中にワークショップの研究倫理審査を申請し、遅くとも9月には開催、評価までを行う。 ②対面でのワークショップ以外に、継続的な支援の提供を可能とするため、オンデマンドで利用できるストレスマネジメントの情報支援ツール(動画、及び冊子)を作成する。
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