研究課題/領域番号 |
21K10971
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
小林 敏生 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20251069)
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研究分担者 |
山内 加奈子 福山市立大学, 教育学部, 講師 (20510283)
乗越 健輔 広島国際大学, 看護学部, 講師 (40638722)
安東 由佳子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50314745)
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (90204346)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 労働者 / メンタルヘルス / リモートワーク / 森林環境 / ワークライフバランス / ワーケーション |
研究開始時の研究の概要 |
労働者のメンタルヘルス不調による長期休業や過労自殺は,働き盛り世代を中心として増加傾向にあり,メンタルヘルスの保持増進は職場における健康管理の重要課題である.さらに現在,Covid-19の感染拡大によって在宅勤務等のリモートワークが日常的になりつつあるが,リモートワークによるメンタルヘルス不調の増加も懸念されている.本研究では豊かな森林環境下における転地型リモートワークに注目し,リモートワークが労働者およびメンタル不調者の心身の健康および労働生産性に及ぼす影響を明らかにする.得られた結果に基づき,労働者の健康保持増進と労働効率の向上に寄与するリモートワークプログラムを提案する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,豊かな森林環境下における転地型リモートワークに注目し,リモートワークが心身の健康,QOLおよび労働者の生産性に及ぼす影響を検討することである.2022年度は,2021年度に作成したリモートワークプログラムの原案を基にして,実際のリモートワークプログラムを作成し,2022年10月に,広島県安芸太田町の森林セラピー基地にて1泊2日の森林環境下に滞在した.滞在中に森林セラピー,焚火・薪割り体験,模擬就労などを行い,生理的・心理的変化,ストレス度,自律神経系,QOL,および生産性等の変化について検討した.参加者は企業やクリニックに勤務する15名(人事・福利厚生担当者・産業医・保健師等)で(男性7名,女性8名),平均年齢は52歳であった.結果,生理的変化としては,森林滞在2日目の森林セラピー後に血圧が低下したが,模擬就労後には上昇した.また,2日間を通して,森林セラピー開始後徐々に交感神経(LF/HF)が低下し,2日目のセラピー終了後も持続的に低下した.心理的変化としては,1日目の森林セラピー後にPOMS2 短縮版のネガティブ感情が低下し,ポジティブ感情の「活気-活力」が上昇した.2日目のセラピー終了後においても同様な効果を認めたが,プログラム終了6週間後には元に戻った.自覚的ストレス(職業性ストレス簡易調査票)については,2日目のプログラム終了時に「仕事の負担感」が低下,自覚的ストレス感の「現在のストレスの程度」も低下したが,プログラム実施6週間後には元に戻った.健康関連QOL(SF-8)および生産性(WHO-HPQ 短縮版)については,滞在前後において変化を認めなかった.1泊2日の森林環境下におけるリモートワークによって,滞在の経過と共に生理的・心理的な好影響が増加したが,それらの効果は短期的であり,継続的な森林環境への滞在の重要性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度に引き続いて,2022年度もCOVID-19の感染拡大の影響が残っていたため,対象者の確保および現地での円滑な研究実施が困難となったため.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の後半から徐々にコロナの感染状況も落ち着いてきた結果,現地での研究活動が比較的順調に遂行できたがまだ全体として研究の遅れが生じている.2023年度の研究計画については,比較的スムーズに実施できると予想している.今後はメンタルヘルス不調者を対象とした森林環境への滞在における効果についても検討を加える予定である.
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