研究課題/領域番号 |
21K10978
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
中田 晴美 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (90385469)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 尿失禁 / 若年女性 / ICT |
研究開始時の研究の概要 |
腹圧性尿失禁を発症する最たる要因は、骨盤底筋の脆弱化である。そのため、特に発症リスクが高い出産直後や、中高年女性を対象とした尿失禁に関する研究が進められている一方、若年未婚女性を対象とした腹圧性尿失禁に関する研究はほとんどない。しかし、年齢を重ねるごとに増加する腹圧性尿失禁発症リスクを抑制するためには、若年未婚期からの骨盤底筋脆弱化の予防と強化を図る早期の対応が重要であると考える。 そこで本研究は、若年未婚女性における腹圧性尿失禁発症の実態を把握した上で、新しい生活様式下での3密を避けた骨盤底筋脆弱化予防戦略を開発し実践することで、どのような効果を持つのか明らかにすることを目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、若年未婚女性における腹圧性尿失禁の実態と腹圧性尿失禁発症に関連する要因を明らかにし、新しい生活様式下における骨盤底筋脆弱化予防戦略を開発することを目的としている。 今年度は、若年未婚女性における腹圧性尿失禁の実態調査項目の精選および、ICTを活用した介入方法策定のための文献検討を実施した。文献検索には、医学中央雑誌およびPubMedのデータベースを用いて「尿失禁」、「若年女性」をキーワードとして得られた文献のうち、研究目的に合致しないと考えられる文献を除外し、内容の検討を行った。その結果、日本および諸外国においても、対象となった若年未婚女性のうち、10-20%前後が尿失禁を経験していた。また、若年女性が尿失禁を発症する要因として、「BMI」「家族歴」「小児期の夜尿症」「過度な運動習慣」「疲労」「便秘」が指摘されていた。これまでの、中高年女性を対象とした尿失禁に関連する先行研究と比較してみると、若年女性特有の要因として、「家族歴」「過度な運動習慣」「疲労」が明らかとなった。さらに、ICTを活用した介入を行っている研究は数件しか見当たらなかったが、全て海外で研究が行われていた。初産婦に対し、アプリを使った音声ガイダンスによる骨盤底筋トレーニングは、従来の自宅で行うトレーニングよりもトレーニングの効果が見られたという報告や、医師の電子メールサポートを含むWebベースの指導の方が、郵送での指導よりも費用対効果が高いとの報告があった。わが国の10-20歳代の女性のうち、98%がスマートフォンを所有しているとのデータもあることから、Web会議ツールでの遠隔対面型の指導のみならず、アプリを活用した介入方法の有効性が示唆された。 この結果を踏まえ、若年未婚女性における腹圧性尿失禁の実態を明らかにするための実態調査およびICTを活用した介入を進めるものとする。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、若年未婚女性における腹圧性尿失禁の実態を明らかにすることを目的としてアンケート調査を実施し、さらに若年未婚女性の尿失禁に対する認識と対処行動および、QOLに与える影響についての概念枠組みを行う計画であった。そのため、内容を検討するための文献検索を行ったが、若年女性の尿失禁を扱った研究が少なく、文献収集に時間がかかった。加えて、新型コロナウイルス感染の影響が長期化しており、かつ、大学内での対面講義が減少している影響により、主な対象者となる学生への協力依頼が進んでおらず、計画に遅れが生じている状態である。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年5月より、新型コロナウイルスの感染症分類が5類に移行し、感染症対策が緩和されることから、前所属先および現所属先の在校生や卒業生を中心に研究の調査依頼を行い、これを足掛かりに、10-20歳代におけるスマートフォンの高い所有率を活かし、SNS等での研究協力依頼の拡散を依頼し、スノーボール方式で研究対象者を集めていく予定である。そして、収集したデータの分析を行うことで、腹圧性尿失禁の有病率や発症に関連する要因を明らかにした上で、半構成的面接調査により、若年未婚女性特有の尿失禁に対する認識と対処行動および、QOLに与える影響についての概念枠組みを完成させ、介入対象者のリクルートまで進める予定である。
|