研究課題/領域番号 |
21K11013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東京純心大学 |
研究代表者 |
山本 君子 東京純心大学, 看護学部, 教授 (00622078)
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研究分担者 |
平川 美和子 弘前医療福祉大学, 保健学部, 教授 (50775244)
塚本 都子 東京純心大学, 看護学部, 教授 (90639684)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 退職後看護師 / 高齢者 / ボランティア / 見守り / 話し相手 / 急性期病院 / 認知症高齢者 / 退職後の看護師 / 認知症サポーター / 認知症 / 退職看護師 |
研究開始時の研究の概要 |
急性期病院入院中の認知機能低下した高齢者に傾聴する人が必要であるということが研究で明らかになった。研究結果より、急性期病院という特殊な環境における傾聴ボランティアは、緊張感を高めてしまうこと、また、病院に入院していることで認知機能低下した高齢者の傷病についての知識が必要であることが課題として挙げられた。そこで、急性期病院で勤務した経験のある退職看護師を活用することで、この課題を解決できると考えた。また、COVID-19の感染拡大対策として通常のボランティアは訪問制限が実施されているが、医療従事者としてスタンダードプリコーションの知識と技能を身に着けている退職看護師は適任と考える。
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研究実績の概要 |
急性期病院入院中の認知症高齢者を対象としたボランティア活動のシステム構築の開発に向けて取り組んでいる。平成30年度~令和2年度は、急性期病院入院中の認知症高齢者を対象とした認知症サポーターによる見守りと話し相手の介入を実施した。その結果、ボランティア活動は、やりがいを感じている反面、急性期病院という特殊な環境における見守りと話し相手であることから想定以上にエイジズムや認知症を意識し、緊張感を高めてしまうことが明らかになった。また、急性期病院に入院していることで、認知症高齢者の傷病について想像以上に意識し、不安が増長していることも明らかになった。これらの結果を踏まえ、令和3年度~令和5年度は、新型コロナウイルス感染症予防の基本的な医療知識や認知症高齢者への対応が可能な研修や認定資格を持つ退職後看護師によるボランティア活動を実施した。研究の協力が得られた11名の退職後看護師によるアクション手法を用いて、急性期病院に入院中の認知症高齢者への見守りや話し相手のボランティア活動を令和4年12月~令和5年1月~2月の2か月間介入した。急性期A病院の看護部長の協力のもと病棟師長に認知機能低下した高齢者を選定してもらい、1日3名~5名のボランティアが、午前10:00~午後15:00~の2回、見守りと話し相手を、40分~60分間実施た。ボランティア活動終了後、インタビューガイドを参考に、60分程度の半構造化グループインタビューを実施した。退職後看護師によるボランティア活動の結果は、認知機能低下した高齢者への見守りと話し相手の必要性を実感していた。その理由は、見守りや話し相手のボランティア活動は、患者の笑顔が見られ安心感を与えることができたからだと述べていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の予防のため、急性期病院でのボランティア介入が難しく、令和4年12月からの実施となり、現在データー整理に取り組んでいる。 まず、1段階は、関東圏内の200床以上の病院の看護職への「認知症高齢者の看護における負担感」についてアンケート調査も実施した。アンケート郵送数は、3080件であり、回収は285件(回収率9.2%)であった。 2段階は、研究の協力が得られた11名の退職後看護師によるアクション手法を用いて、急性期病院に入院中の認知症高齢者への見守りや話し相手のボランティア活動を令和4年12月~令和5年1月の2か月間介入した。 退職看護師によるボランティア活動による結果は、見守りや話し相手のボランティア活動により患者への安心感を与えることができることを実感していた。また、「初めての患者との会話の難しさ」を感じ「患者の背景をとらえる」ことにより「患者の個別性への係わり」が可能となる。さらに、ボランティアを実施たことで「自分自身の特性認識」ができたなどであった。これらの結果を、令和5年度~令和6年度に向けて、看護学学会で発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
急性期病院に入院中の認知症高齢者への見守りや話し相手のボランティア活動を令和4年12月~令和5年1月の2か月間介入した。結果を、看護学学会で発表予定である。 今後は、急性期病院に入院中の認知機能低下した高齢者への「見守り」と「話し相手」が効果的であったことを踏まえ、認知症サポーター大学生を育成し、ボランティア活動を発展継続していく予定である。大学生は、認知症高齢者が増加する社会の中で次世代を牽引していくリーダー的な存在であり、認知症施策に関心を持って市民の一員として積極的な活動が期待されている。しかし、大学生を含む一般市民の特徴は、知識不足により認知症に対して怖いイメージを抱く者が多く、否定的イメージやエイジズムが社会問題となっており、認知症に関連した正しい知識の普及・啓発を目的に認知症サポーター大学生を育成したい。 また、生理学的指標である自律神経測定器を用い科学的に検証したい。
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