研究課題/領域番号 |
21K11037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
井口 理 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (10513567)
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研究分担者 |
石田 千絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (60363793)
一色 喜保 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (00827826)
佐藤 太地 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (90965881)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 都市部 / 互助機能 / 評価尺度 / 支援者評価 / 互助機能尺度 / 支援者 / コロナ禍 / 高齢者 / 社会とのつながり / 二極化 / 互助 / 機能評価 / 尺度 / withコロナ時代 |
研究開始時の研究の概要 |
急速な高齢化を背景に推進される地域包括ケアシステム構築のために「自助・互助・公助・共助」の連携で各地域の様々な生活課題を解決するしくみづくりが肝要とされているが、大都市では地域での付き合いをしていない人が約4割を占めるのが現状である。本研究では、地域包括支援センターが行う「互助」を促す様々な取り組みを経時的・広域的に評価できるツールとして、互助を促す支援者が活用するための「都市部における互助機能の評価尺度」を開発する。また、withコロナ時代に都市部で取り組める「互助」促進プログラムの開発につなげるため、都市部の住民の地域活動と感染リスクに関する意識の実態を含めて調査する。
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研究実績の概要 |
【目的】全国の政令指定都市において互助の促進を試みる支援者が町会・自治会単位の互助機能を測定する「都市部における互助機能評価尺度」を開発する。 【方法】全国20の政令指定都市と23区の2022年2月時点で各都道府県のホームページで確認できた計約1400カ所の地域包括支援センターの施設長を対象に、2022年6月から7月に自記式調査を実施した。 【結果】回収数は190件(回収率15.9%)、有効回答数178件(有効回答率14.9%)であった。342町会・自治会に関する回答について、最尤法、プロマックス回転で因子分析を行った結果、有意確率0.236で3因子8項目の尺度項目を得た。各因子は「くらしの補完」「つながり意識」「話し合える場」と命名した。第1因子は「住民は、隣近所の日常的な外出(買い物・受診・銭湯等)に付き添う」「住民は、隣近所に衣料品を譲る」「住民は、隣近所の買い物を代行する」の3項目からなる“くらしの補完”、第2因子は「住民は、隣近所から困り事を相談されたことがある」「住民は、日ごろから隣近所と「何かあったら」という話をしている」「地域活動の場(介護予防教室等)に住民同士が誘い合って参加する」の3項目からなる“つながり意識”、第3因子は「関係機関が、地域の課題について話し合える場がある」「住民と関係機関が、地域の活動について話し合える場がある」の2項目からなる“話ある場”である。Cronbachのα係数はいずれも0.8以上であった。今日分散構造分析で確認証的因子分析を行った結果、モデルの適合度指標は、CFI=0.983,RMSEA=0.076であった。分析対象の数は十分とは言い難いものの、「都市部における町会・自治会の互助機能」を説明するモデルとして、内的整合性が確保され、かつ妥当であると判断できる信頼性係数と適合度指標を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染対策の保健師活動や今後の体制整備に関する研究依頼が令和4年度に複数届いた。具体的には、厚生労働科学研究、公衆衛生学会の公衆衛生看護のあり方委員会で行う研究、厚生労働省老健事業として行う研究である。どれも時期の調整が難しく、社会的要請が大きいと判断されたため、微力ながら貢献する選択をした。そのため、本研究で今年度実施予定だった住民対象調査の実施は次年度に延期せざるを得ない状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に開発した互助を促進する支援者が評価する「都市部における互助機能評価尺度」が、住民自身の認識する「互助」の実情と乖離していないか確認する必要がある。そのため、互助を促進する支援機関の協力を得て、政令指定都市と23区の都市部に居住する18歳以上の住民を対象とした調査を実施する。「互助の評価尺度」の項目の内容について、近所付き合いと助け合いの実情をコミュニティ毎に集計し、ブートストラップ法を用いて支援機関の互助機能評価との“ずれ”を把握する。 またコロナ禍を経て、都市部に居住する住民の地域活動と感染リスクに関する意識の実態を明らかにすることで、都市部で取り組める互助促進プログラムの開発につながると考えられるため、住民対象調査ではCOVID-19が5類に変更されたことに伴う今後の行動等に関する項目を含める。
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