研究課題/領域番号 |
21K11061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東邦大学 (2022-2023) 東京女子医科大学 (2021) |
研究代表者 |
原沢 のぞみ 東邦大学, 看護学部, 准教授 (10623077)
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研究分担者 |
長江 弘子 亀田医療大学, 看護学部, 教授 (10265770)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | せん妄 / 脳血管疾患 / 看護 / ケアの構造 / せん妄ケア / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、脳血管疾患を有する高齢患者のせん妄発症にたいして、せん妄の発症および重症化の予防、早期離脱を可能にするせん妄ケアの構造を明らかにすることを目的とする。 本研究の特色は、研究対象を脳血管疾患としていることである。これまでせん妄の直接的要因とされてきた脳神経疾患における有効なケアについて検討し、その効果を明らかにすることは、今後も脳血管疾患を有する高齢者が安心して安全な治療を受けるために、重要かつ喫緊の課題であると考える。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、文献レビューにより脳血管疾患患者におけるせん妄およびせん妄ケアに関する知見を海外論文6件、日本論文11件より整理した。脳卒中患者におけるせん妄の原因は、他の集団における原因とは異なることが示唆され、治療がより困難である可能性があるとしながらも、脳卒中患者に対するせん妄管理の実施は可能であり、対象患者の80%に実施可能であったと述べられていた。一方で、軽度のせん妄は、脳卒中の症状との鑑別が難しく、せん妄(特に低活動型)が見逃されることがあることも指摘されていた。これらのことから、疾患による特徴をふまえたせん妄の鑑別および治療ケアが必要であるといえる。 また、脳せん妄に対する看護についての記述が含まれている論文では、治療や看護がせん妄の要因となることが指摘されており、過剰な介入はかえってせん妄を誘発、悪化させる可能性が示唆された。脳疾患におけるせん妄のケア構造を明らかにするうえでは、せん妄の器質的な要因である脳疾患特有の症状およびそれに対する看護の視点が必要であることが文献レビューの結果から考えられた。 今回のレビューからは、特に日本の文献では事例報告ないしは実態調査レベルにとどまっている状況であった。しかし、そのなかで実施されていたものとしては、日中の活動を促すための離床やアクティビティ、家族の面会調整などであった。事例を蓄積していくことによって、課題と有効性を明らかにする必要性が示された。 次の調査の準備として、脳疾患におけるせん妄ケアを実践している、脳疾患看護のエキスパートである専門看護師らより聞き取りを実施し、調査の実現可能性について検討を行っており、文献レビューで得られた知見と共に本研究分野におけるケア体制の構築にはエビデンスが不十分であるため、知見を整理して広く提示していくことが必要であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究フィールドの変更に伴う計画の変更が生じていることにより、フィールドの調整および計画内容の調整に時間を要している。調査開始に向けた事前準備として、文献検討を継続している。調査開始に向けて、倫理審査の受審準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
脳神経外科看護領域の専門家、臨床家へ協力を要請し、調査フィールドの調整および調査を実施する。
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