研究課題/領域番号 |
21K11067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
小林 裕美 四天王寺大学, 看護学部, 教授 (50369089)
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研究分担者 |
乗越 千枝 四天王寺大学, 看護学部, 教授 (70389500)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 訪問看護管理者 / 訪問看護導入期 / 臨床判断 / 質的統合法 / 重要度と実践度 / 可視化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、訪問看護導入期におけるエキスパートレベルの看護師の臨床判断を抽出し、実践で適用可能なガイドとして可視化することが目的である。訪問看護は、管理者による導入期の実践と判断がサービスの質を方向付けていると考えた。そこで、熟練の訪問看護管理者が行う訪問看護導入期の臨床判断を抽出し、質的統合法(KJ法)を用いて構造化する。抽出した臨床判断は調査研究にて検証し訪問看護管理者に向けた訪問看護実践ガイドを作成する。
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研究実績の概要 |
本研究は、訪問看護導入期におけるエキスパートレベルの看護師の臨床判断を抽出し、実践で適用可能なガイドとして可視化することを目的としている。 令和5年度は、研究1「熟練の訪問看護管理者の訪問看護導入期の臨床判断を抽出し、構造化する」ことを目的とした質的研究の分析を継続し、10事例の個別分析を終了した。 次に研究2の調査研究を実施した。その目的は「訪問看護導入期の臨床判断について、管理者の重要度の認識と実践の実態を明らかにすること」である。調査方法は、無作為に抽出した全国の1500ヵ所の訪問看護事業所の管理者を対象とした自記式質問紙調査である。調査内容は、基本属性と研究者が研究1を元にした臨床判断に対する重要度と実施度について、各4段階で問うものである。臨床判断の内容は、「脳血管障害後遺症の高齢者が退院したA事例」17項目(A項目)、「認知症の独居高齢者に訪問を開始したB事例」16項目(B項目)計33項目である。その結果、404の回答があり392を有効回答とした(26.1%)。対象者(男性52女性340)は、平均年齢49.9±9.7歳で、管理者経験は平均5.3±5.6年であった。重要度は、全項目で75%以上が「重要である」とした回答が得られたが、実践度では、5項目が75%以下であった。重要度・実施度ともに最も高い項目は、A項目「初回訪問では利用者のバイタルサイン測定、肺音聴取などを行い、上下肢の動き等の障害の程度を把握して身体的アセスメントを行っている」、B項目「服薬管理は重要な役割であるため、1週間毎・1日毎の確認など、本人の能力を見極めながら服用できる方法・工夫を実施する」であった。 次年度はこれら研究1,2の成果を活かして「訪問看護導入期の看護実践ガイド」を作成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究における研究1(質的研究)のデータ収集は、参加観察を伴う方法であったため、研究協力者の自宅に訪問することがあり、新型コロナ感染症流行の影響を受けた。そのため、データ収集と分析を並行して行うようにしたが、研究全体としてはやや遅れが生じた。 令和5年度は、研究2(調査研究)を順調にすすめることができたが、全体としては遅れがあったために成果をまとめるまでには至らず、補助期間を1年延長した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で当初より計画した 研究1(質的研究)、研究2(量的研究)のデータ収集、およびデータ分析については、概ね終了している。2つの研究の成果を活かして「訪問看護導入期の看護実践ガイド」を作成する計画としているため、研究成果を十分に検討した上で遂行する予定である。
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