研究課題/領域番号 |
21K11081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加古 まゆみ 広島大学, 医系科学研究科(保), 准教授 (90347542)
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研究分担者 |
水川 真理子 神戸市看護大学, 未登録, 特任教員 (50863742)
森山 美知子 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (80264977)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | プライマリケア / 地域看護 / 看護教育 / カリキュラム / 看護プログラム / プライマリケア看護 / 専門性 / 看護カリキュラム / 国際比較 / プライマリケアナーシング / 教育プログラム / 専門職化 / 社会的認識 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の看護学教育カリキュラムにおける、プライマリケアナーシング(PCN)の位置づけはいまだ不明瞭である。超高齢化社会の対応で、病院医療から地域医療へのシフトが進んでいるなか、歴史的背景にある看護婦(師)養成に基づいた訓練・教育制度や、少人数の組織文化での役割と能力の不明確さ、継続教育・キャリアラダーなどの機会が不明瞭さ、看護行為の経済的評価の認識課題が、現在も残っている。本研究は、PCN先進国の豪州の看護学教育におけるPCNと社会で専門的役割の確立を果たした診療所看護師の軌跡を考察しながら、本邦でのCNの社会的認識と役割の確立を促進させることができるような看護教育学カリキュラムの探求を行う。
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研究実績の概要 |
1年目には質問紙調査を予定通り実施することができた。その後、2年目においてインタビュー調査をオンラインにて実施した。対象国は当初、オーストラリアのみにしていたが、データ内容の偏りが懸念されたために(特に看護基礎教育制度の違いがあることも考慮に入れて)、オーストラリア以外のプライマリケアが医療保健制度の中に位置づけられている国として、イギリス、アイルランド、カナダ、スペインの4カ国を追加し、調査対象国として実施した。質問用紙調査も同様に、対象国を追加実施した。
質問紙調査の終了後は、インタビューによる調査を前述どおりの国にオンラインを通じて実施した。データ分析の結果は、第13回プライマリケア連合学会学術大会に口頭発表したと共に、第42回日本看護科学学術大会において「世界と日本の動向・プライマリ・ケアの看護基礎カリキュラム」と題してシンポジウムの一演題として発表を行った。これまでの研究の結果の概要、中間報告と提言として、英文オープンアクセス雑誌Impactへの投稿を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた、データ収集は実施できている。しかし、国によっては回収率が低く、特にイギリスでは回答が特に低かった。これはイギリスでは丁度看護師が国を挙げてストライキを行っており、また大学内にも医療保健制度への混合している意見もあることから、時期的に回答が困難であると判断した。
そのために、質的データの充実が重要であると判断している。質的データにおいては13件のインタビューを実施した。データ分析の結果や学会での口演発表では、プライマリケアとプライマリヘルスケアとの定義の曖昧さの指摘を受けた。このことから、データ収集に関しての再考を共同研究者と実施し、質的データに関して追加のデータ収集を特に、プライマリケアの定義にのっとりながら、インタビューを実施する予定である。現在、対面でのインタビューの実施に向けてのリクルートメントを開始している。
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今後の研究の推進方策 |
データの質を上げるために、追加でのデータ収集を実施する予定である。件数は、6~8件のインタビューを目標とし、分析を実施する。最終年度であるため、今回の助成による成果を総括するために研究成果としての関係学会(第43回日本看護科学学会、第14回プライマリケア連合学会学術大会への)発表と共に、論文投稿(投稿雑誌は考案中)を予定している。今回の研究では、「プライマリケアナーシングの専門的役割認識を向上させる教育プログラム開発」とテーマを設定しているが、まだ教育プログラムの開発にまでは至っていない。現在の状況では、プライマリケア先進国での看護学の中でのプライマリケアの位置づけを明らかにしたにとどまるため、今後は日本国内へ目を向けながら国内での看護学の中でのプライマリケアの理解や位置づけをあきらかにしながら、どのようなプログラムが求められているのかを明らかにしてゆく必要があると考えている。
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