研究課題/領域番号 |
21K11102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
中野 禎 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (90727794)
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研究分担者 |
村西 壽祥 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60572485)
森 禎章 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 名誉教授 (70268192)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 肩関節痛 / 超音波評価 / 腱板断裂 / 拘縮肩 / 肩関節 / リバース型人工肩関節 / 運動解析 / 筋電図 |
研究開始時の研究の概要 |
汎用化された手術に比べ、肩の人工関節は専門医の少なさや手術の難易度の高さにより、股・膝関節のそれと比較して術後の成績が安定せず、術後のリハビリテーションに難渋することもあり、成績不良例も存在する。本研究では、肩の人工関節、特にリバース型人工肩関節置換術(RSA)に焦点を当て、なぜそのような予後不良例が存在するのかを3次元筋骨格モデルを作成し、運動計測データと動作シミュレーションをさせることで関節モーメントの他に、筋張力、筋活性度、関節間力等の生体内力の定量評価を行い、RSA術後における三角筋の緊張が肩関節機能にどう影響するかを解析する。
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研究実績の概要 |
肩の人工関節、特にリバース型人工肩関節置換術(RSA)は、術後のリハビリテーションに難渋することもあり、成績不良例も存在する。本研究課題は、なぜそのような予後不良例が存在するのか、3次元筋骨格モデルを作成し、運動計測データと動作シミュレーションをさせることで関節モーメントの他に、筋張力、筋活性度、関節間力等の生体内力の定量評価を行い、RSA術後における三角筋の緊張が肩関節機能にどう影響するかを解析する。また並行してRSA術後症例における表面筋電図計(EMG)による肩関節周囲筋の筋活動を評価し、3次元筋骨格モデルとのマッチングを行い、これらの分析より治療成績良好群と不良群の比較を行い、両者の違いを明らかにすることとしていた。2021年-2022年度の計画においては、RSA実施患者から漸次、術後3か月における①レントゲン、②CT、③MRIによる検査を実施、その他疼痛や可動域、筋力、Shoulder36(患者立脚型ADL評価)に加え、EMGによる肩関節周囲筋の筋活動の評価を行い、自動可動域を基準として良好群、不良群、中間群の群分けを行い、すべての対象において3次元筋骨格モデルを作成し、解析を行うというものであったが研究計画当初よりCOVID-19の影響により症例数の確保が難しく、研究計画自体の見直しを余儀なくされている。 肩の人工関節術後は疼痛の強い症例や拘縮を呈する症例が存在する。そこで少し方向性を変え、痛みと拘縮に着目することにした。肩周囲組織の超音波診断装置による血行動態を評価し、痛みや拘縮と血行の関連を明らかにできないかと考えている。現在、肩前方組織を支配する前上腕回旋動脈の客観的評価について検討している。今後は肩の痛みを有する拘縮肩や腱板断裂術前・後の症例の評価を進めていき、人工関節症例との比較を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
概要でも触れたように大幅に研究計画を変更し、現在は肩の痛みを有する可動域制限が著明な患者を対象に、その原因を肩周囲の血行増加や新生組織の増加によるものと仮定し、超音波による血行動態の評価と可動域や痛みとの関連を調査することにした。 現在は対象の患者に対して上記評価を行っている段階であるが、特に肩関節前面組織への栄養血管である前上腕回旋動脈の描出の難しさに加え、客観的指標を模索している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
来の研究予定期間がコロナ禍の影響により大幅に遅れたことや研究対象の症例数の確保に難渋したことにより研究が思うように進んでいない状況がある。そのような状況の中、人工関節術後でも痛みが長引く症例や拘縮を呈する症例の存在から、中高年で肩痛や拘縮を呈する症例の原因に着目するようになった。 ただし、超音波での画像評価においては客観的評価の難しさや対象血管の描出の再現性に難渋しているところであるが、今後、その描出がうまくいくようデータ採取の精度を上げることができれば痛みや可動域制限との関連を検証することができると考えており、当初の目的であった人工関節手術の成績不良例を検討していくうえでの一助になるものと考えている。
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