研究課題/領域番号 |
21K11103
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
文 鐘聲 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (50460960)
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研究分担者 |
伊藤 尚子 京都府立医科大学, 医学部看護学科, 准教授 (80456681)
金 貴粉 津田塾大学, 国際関係研究所, 特任研究員 (20648711)
田村 朋久 大手前大学, 国際日本学部, 非常勤講師 (00836637)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 在日コリアン / 超高齢者 / 百寿者 / ソーシャル・キャピタル / ハンセン病回復者 |
研究開始時の研究の概要 |
在留外国人のうち在日コリアンの老年人口割合は突出して高く、在日外国人高齢者研究の重要な位置を占める。これまでに在日コリアン超高齢者・百寿者を対象とした全国コホートを構築し、第1次調査を行った。一方、在日コリアンハンセン病回復者は「二重の差別」を受けている現実がある。 本研究の目的は、上記コホートの第2次調査に在日コリアンの中でもより多くの困難を経てきたハンセン病回復者を対象者に組み入れることで、差別の程度およびスティグマと身体的・精神的健康との関連、および社会経済的状態とレジリエンス、「民族的つながり」としてのソーシャル・キャピタルの身体的・精神的健康の縦断的な影響を明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
在留外国人のうち在日コリアンの老年人口割合は他と比べて突出して高く、在日外国人高齢者研究の重要な位置を占める。そこで、在日コリアン超高齢者・百寿者を対象とした全国コホートを構築し、第1次調査を行った。 本研究の目的は、在日コリアン超高齢者・百寿者コホートの第2次調査に、在日コリアンの中でもより多くの困難を経てきたハンセン病回復者を対象者に追加することで、差別の程度およびスティグマと身体的・精神的健康との関連、およびSESとレジリエンス、「民族的つながり」としてのSCの身体的・精神的健康の縦断的な影響を明らかにすることである。 2022年度は、COVID-19の流行状況をみながら、2021年度に遂行が難しかった高齢者第1次調査追加調査を試みたが、依然としてCOVID-19第6波、第7波の影響があり、高齢者施設での調査を遂行することができなかった。このため、追加調査を断念することとした。次に、文献調査、高齢者第1次調査の基本的な解析および別地域で収集した日本人住民のソーシャル・キャピタルに関連したデータ解析を行った。 在日コリアン超高齢者・百寿者の解析においては、過去の差別の有無と超高齢期の身体的健康との関連について解析を行った。差別の有無と年齢、性別、教育歴、主な生活習慣病の罹患との間に関連はなかったが、主観的健康感については差別を受けた群の方が有意に低い結果となった(p<0.05)。今後、精神的健康およびQOLとの関連も解析し、併せて学会発表および論文化を行う予定である。 日本人住民の解析については2021年度に行った高齢期住民との比較を行うため、同地域の壮年期住民に対する解析を行った。その結果、高齢期住民と同じく、地域社会の積極的な参加と社会経済的格差が精神的健康と関連があることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまで行ってきた高齢者第1次調査は在日コリアン高齢者の最大集住地域における対象者が相対的に少なかったため、同地における追加調査を行う予定であった。しかしながら、2022年度もCOVID-19の第6波、第7波の影響が大きく、高齢者施設において調査を行う見通しがなかなか立たなかった。これらにより、高齢者第1次調査の追加調査を行うべく準備はしていたものの結果的に断念せざるを得ず、研究の遅延につながった。最終的には研究計画を変更し、第1次調査の追加調査をせずに次の段階に進むこととする。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者第1次調査の新規追加調査については、COVID-19の感染拡大状況を鑑みつつ第1次調査の追加調査を行う予定であったが、結果的にそれを断念することとした。データセットとしては若干の地域によるバイアスはあるものの、現在揃っているデータを用いることで研究を遂行することとする。 2023年度は第1次調査の詳細な解析を行い、今後の研究の見通しを立て直すとともに、ハンセン病回復者の調査に着手できる素地を整えるものとする。また、介護保険データを用いた解析についても着手すべく準備を行うこととする。
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