研究課題/領域番号 |
21K11117
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | つくば国際大学 |
研究代表者 |
大槻 優子 つくば国際大学, 医療保健学部, 教授(移行) (10258973)
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研究分担者 |
縄井 清志 アール医療専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (50458254)
纐纈 祐子 つくば国際大学, 医療保健学部, 助教 (90738626)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 農福連携 / 認知症高齢者 / 下肢筋力 / 農作業 / 認知症高齢女性 / 生きがい / 農村地域 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、認知症高齢女性を対象に農福連携による農作業の効果を明らかにし、農福連携プログラムの開発を行うものである。福祉施設に入居している認知症の高齢女性を対象に、農作業による精神面の変化を、①生きがい意識尺度②淡路式園芸療法評価尺度により把握する。また、農作業による身体的変化は等尺性筋力ミュースタF-2により大腿四頭筋の筋力測定を行う。さらに、介護職員を対象に③Zaritの介護負担感尺度を用い、農作業を行うことによる介護者の負担感の変化をみる。
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研究実績の概要 |
本研究は、農村地域における認知症高齢者が農作業を行うことで、自身の生きがいや身体的側面における筋力にどのように影響するのか明らかにすることである。さらに、介護職員の介護負担感の変化を把握し、農村地域における認知症高齢者に対する農福連携のプログラムを開発することである。 本年度では、農繁期・農閑期における認知症高齢者の下肢筋力の変化について明らかにした。研究方法は、岩手県NPO法人施設利用者で施設内の農作業に参加している認知症高齢者8名を対象とした。調査期間は、令和4年5月~令和5年4月で2か月~3か月に1回の間隔で、等尺性筋力ミュースタF-2により、膝関節伸展筋力測定を実施した(R4年5月,8月,10月,R5年1月,4月)。1回の測定は、左右各々3回測定し平均値を求めた。分析方法は、農繁期・農閑期の測定結果の結果を比較し変化を見た。統計解析は、JMP12.2(SASinstitute)を用い、「対応のあるT検定」を行い有意水準は5%未満とした。その結果、p=0.0125で有意な差がみられ、農閑期(4・5回目)の方が筋力が低くなっていた。今回、福祉施設の認知症高齢者の農繁期における下肢の筋力測定を行った。農繁期は、野菜の収穫や草取りなど、支援員の指導の下に行っている。 中高齢期の身体活動や運動習慣の保有は、認知症やアルツハイマー型認知症発症率の低下との関連が示唆されている。また、運動介入はすでに発症したアルツハイマー型認知症者の認知機能を改善する効果も報告されている。農作業や草取りは畑に出て全身で行う作業であるため、継続的に作業を行うことが筋力低下の予防になっているのではないかと考える。施設利用者の方々は、ほとんどが地元の方で農家も多い。以前より慣れ親しんでいる農作業を進めていくことは、認知症の進行をお緩やかにするなど期待が持てると推察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、農村地域における認知症高齢者が農作業を行うことで、自身の生きがいや身体的側面における筋力にどのように影響するのか明らかにすることである。さらに、介護職員の介護負担感の変化を把握し、農村地域における認知症高齢者に対する農福連携のプログラムを開発することである。 データ収集は、認知症高齢者を対象に、令和3年度の秋季から農閑期における下肢筋力測定の予定であったが、新型コロナ感染症の拡大により、関東地方から調査地の東北地方に出向くことができなかった。そのため、当初の予定より半年遅れて調査を開始している。また、認知症高齢者を対象に「生きがい意識尺度」の質問紙用紙に基づき各項目ごとの5段階評価によって評価をしてもらう予定であった。しかし、各尺度の意味が対象者に理解できにくいということが明らかになった。そのため、生きがいについては、インタビューに変更した。さらに、「淡路式園芸療法評価尺度」についても、認知症高齢者を対象していたが、介護職員から見た評価として調査を行った。介護職員に対する「Zaritの介護負担感尺度」の調査は予定通り調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、農村地域における認知症高齢者が農作業を行うことで、自身の生きがいや身体的側面における筋力にどのように影響するのか明らかにすることである。さらに、介護職員の介護負担感の変化を把握し、農村地域における認知症高齢者に対する農福連携のプログラムを開発することである。 令和3年度、令和4年度は予定よりやや遅れているが、認知症高齢者の下肢筋力測定が終了している。また、生きがいについての調査は「生きがい感尺度」からインタビューに変更し終了している。令和5年度は、インタビュー内容について分析し、認知症高齢者が農作業を行うことでどのような生きがいを持つのか明らかにする。さらに、認知症高齢者の介護を担う介護支援員の方を対象に、農作業を行うことがどのような影響を及ぼしているのか明らかにする。 認知症高齢者の農作業を行うことでの身体側面、自身の生きがい、さらに介護支援の介護負担感について明らかにして、農福連携プログラムを検討したいと考える。
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