研究課題/領域番号 |
21K11136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 浩二 金沢大学, 保健学系, 教授 (40507373)
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研究分担者 |
長山 豊 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (10636062)
長田 恭子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60345634)
池内 里美 金沢大学, 保健学系, 助教 (30727475)
岡本 理恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50303285)
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 自殺予防 / プライマリーヘルスケア / 地域 / ハイリスクアプローチ / 教育プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
地域における自殺ハイリスク者への支援では、【自殺ハイリスク者の発掘】【精神科治療への橋渡し】【見守り体制の構築】が重要となるが、これらの実施においては援助希求行動が乏しいという自殺ハイリスク者の特徴がゆえに様々な困難が伴う。そこで、本研究ではハイリスク者支援を行う地域支援者向け自殺予防教育プログラムを開発するために、第1に地域支援者の自殺ハイリスク者支援の実態と困難を明らかにする。第2に自殺未遂からリカバリーした人の体験から、自殺念慮をもつ人の精神病理と当事者が望む支援のあり方を明らかにする。これらの知見を基に、地域支援者向け自殺予防教育プログラムを作成し、市町村支援者に教育を実施・評価する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、ハイリスクアプローチ基盤の地域支援者向け自殺予防教育プログラムを開発するために、自治体のプライマリーケア従事者(保健師・精神保健福祉士)の自殺リスク者支援の経験から明らかになった研究成果「地域における自殺リスク者支援の困難」と「地域における自殺リスク者支援の手がかり」をもとに、以下のような支援モデルを構築した。まず「自殺リスク者の発見」の機会をつくり、自殺リスク者が発見できた場合、彼らと「意味のあるつながり」つくるためのアプローチをしながら「リスクマネジメント」を実装する。この3つのアプローチは、相互に関連し、連動している。また、この支援モデルには、自殺リスクに直接ターゲットを当てたケアばかりではなく、ホリスティックな視点からのアプローチを含んでいることが特徴である。例えば<ライフサイクルを通した把握><異なる目的からのアプローチ><現実生活の苦悩の理解と対処>などは、自殺リスク者を現実の困難や生きづらさをもつ人と捉えなおし、ホリスティックかつ長期的な支援を実装するための視点である。さらにこのモデルは、自殺リスク者個人へのアプローチと個人をとりまく環境へのアプローチの双方の視点を含んでいる。開発したモデルをもとに、自治体のプライマリーケア従事者の自殺対策に関する研修会やコンサルテーションを実施した。また、英国のMental Health Hubでモデルのプレゼンテーションを実施し、メンタルヘルスのNurse Consultantよりモデルの有効性について確認を得た。今後は、モデルをもとに自治体のプライマリーケア従事者に継続的な教育やコンサルテーションを行い、その評価を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
開発したモデルの有効性の検討や地域での研修会・コンサルテーションなどを実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、先行研究の成果をもとに、全国の自治体に自殺リスク者支援の実態調査を行ったうえでプライマリーケア従事者のニーズを明確にする。また、開発したモデルに基づいて自治体のプライマリーケア従事者に継続的な教育やコンサルテーションを行い、その評価を実施する。
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