研究課題/領域番号 |
21K11138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
横川 吉晴 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (50362140)
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研究分担者 |
木村 文一 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (10621849)
北川 孝 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (10848922)
五十嵐 久人 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (90381079)
伊澤 淳 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50464095)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フレイル / プレフレイル / 予測 / 健診 / AGEs / フレイル健診 / 歩行環境 / 社会参加 / 伝達的・批判的ヘルスリテラシー / 特定健診 / リスクスコア / 機械学習 / ポピュレーションアプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の身体機能に焦点を定め、特定健診においてフレイル指標のなかからプレフレイルを結果指標とし、関連する健診結果と病態をAIの機械学習にて解析し、背景疾患や健康課題を横断的に明らかにする。身体機能を毎年度追跡調査し、フレイルの進行予測因子を縦断的に探索する。これによりプレフレイルリスクスコアを開発する。さらにポピュレーションアプローチとして、フレイル予防のためのオンライン教室を定期的に設け、歩行・運動指導動画を作成・配信し、視聴による影響についてプレフレイルリスクスコアを指標に前向きに検証する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、第三回目のフレイル健診が実施され、フレイル評価指標、 生活習慣の調査を行うことができた。測定地区は35ヶ所76サークル、実施回数は77回、参加延べ人数は1078人であった。このうち71人(6.6%)がフレイル、495人(45.9%)がプレフレイル、512人(47.5%)が非該当であった。これまでの分析をもとに市民に向けた情報発信として4つの分析結果を作成し、フレイル健診参加者には紙媒体で配布、またHP上で閲覧できるよう掲載準備を進めた。上記に加え歯科、栄養、運動に関するフレイル予防講座が74回実施され、総参加者数は1544人であった。フレイル該当者71名には、市中病院のフレイル外来への紹介、生活・運動指導等の働きかけを行った。 体内に蓄積された過剰な糖分と蛋白質が結合してでき老化を促進すると考えられている終末糖化産物(Advanced Glycation End Products : AGEs)とフレイルとの関連を検討するため、フレイル健診とは別に、郊外の農村地区を対象として横断調査を実施した。測定項目は歩行速度・握力・ロコモ度・AGEs・生活習慣等とした。27箇所で測定を行い、65歳以上202人を分析した。フレイル・プレフレイル・頑健の3群間でAGEsの差は認めなかった。AGEs と年齢とは正の相関を、歩行速度とは有意な負の相関を認めた。独立変数をAGEs、従属変数をフレイル群とそれ以外の2群としてROC分析を行った。フレイル2群を指標としたROC分析でAUCは64.9%と低値であった。ロコモ度の有無を指標としたROC分析もAUC69.6%と低値であった。糖尿病の既往、呼吸器疾患の既往の有無を従属変数とした場合、AUCはそれぞれ66.5%、75.8%を示した。在宅高齢者のAGEsによるフレイルの予測能は低く、疾患特異的に対応した利用可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度の研究では、フレイル健診の実施と、それとは別に老化促進指標としてのAGEsとフレイルとの関連について横断調査を行うことができた。 当初予定していたプレフレイルのリスク因子を抽出する解析が実行できなかった。分析に必要な情報の整理統合に時間がかかったこと、リスク因子を抽出するためのAI学習・予測プログラムの運用を引き続き検討した。そのため実施には至らなかった。 地域でのフレイル予防のために、フレイル健診参加者及び広く市民に提供する情報媒体の作成を進めることができた。以降、分析した結果をもとにフレイル予防を促すための情報発信を継続してゆきたい。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度以降は、1) 令和3年度から令和5年度までの3年間のデータを元に縦断分析を行う。横断調査で認められたプレフレイルに関連するリスク要因の因果関係を確認する。 2)遅れている機械学習・予測プログラムを用いたリスク要因の分析をすすめる。KDBデータや医療費データを突合させたデータセットを設け、AIによる学習と予測を行う。 3)昨年度に引き続き高齢者の行動を促すことのできるような情報媒体の開発に取り組む。 4)令和3年度のデータとその後の介護認定情報等との連結、関連の分析準備をすすめる。 5)令和5年度まで収集した研究データをもとに国内学会にて発表する。
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