研究課題/領域番号 |
21K11156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
春日 広美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (30269295)
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研究分担者 |
ブルーヘルマンス ラウール 関西医科大学, 医学部, 教授 (50424601)
山崎 律子 純真学園大学, 看護学科, 教授 (70321304)
遠山 寛子 武蔵野大学, 看護学部, 准教授 (10433989)
太田 浩子 純真学園大学, 看護学科, 准教授 (30583934)
久長 正美 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (60805406)
窪島 領子 川崎市立看護大学, 看護学部, 助教 (90783423)
松永 信介 東京工科大学, メディア学部, 教授 (60318871)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | eラーニングシステム / 分岐型ストーリー / 在宅看護シミュレーション / 在宅看護教育 / 教育効果 / 看護教育 |
研究開始時の研究の概要 |
eラーニングを活用した分岐型ストーリーの在宅看護シミュレーションシステムを開発した。このシステムの普及にあたり次の課題がある。 課題1 システムの教育効果を測定して精錬する:複数の看護養成施設においてシステムを利用し、測定指標を用いて教育評価を行い、異なる在宅看護教育の環境下における教育効果を検証して必要時改善し、本システムを精錬する。 課題2 簡便にシステムを作成する方法を確立する:LMSで動画と選択問題を指定すれば分岐ストーリーが作成できる仕様を検討する。実写画面の難しさに対して、アニメーションによる作成システムなどを含む、最新のLMSリソースの情報を収集して試験運用を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度の実績について、2つの課題ごとに報告する。 課題1 本システムの教育効果を測定して精錬する:2023年度は4大学においてシステムの提供、データ収集、インタビューを実施できた。しかしどの大学においても前年度同様、学生への説明、参加依頼後すぐに定期試験があったり、他の領域実習が始まるなどで、参加者は2022年度と大きな差はなかった。各校のカリキュラムの事情に合わせて柔軟に実施できるよう、研究計画を変更し、研究倫理審査の承認も得、対応している。今後、参加者が増えることを期待したい。2024年5月現在、4校合計の参加者は、介入群6名、対照群9名の計15名である。このうちインタビューデータが得られたのは、介入群4名対照群4名。現在までのデータを中間分析し、今年度の日本看護科学学会で報告をする予定である。また、残る1校が2024年度に参加する予定であり、すでに当該大学の研究倫理審査会の承認を得ている。当初の予定よりも対象者数が少なく、ひとりでも増やせるよう、助成期間の1年延長を申請した。 課題2 簡便に本システムを作成する方法を確立する:誰でも分岐型ストーリーをeラーニング内に構築できるよう、前年度にひきつづき新たなリソースを探索している。iSpring Suiteでストーリー分岐図を試験的に作成したが、基本的にはH5Pと構造は同様で、分岐シナリオの埋め込み動画を樹状につなげることになる。2~3話の分岐であれば作成と管理は比較的簡便で、動画も専用クラウドで完結できる。しかし、分岐シナリオの動画をつなぐ労力は変わらない。また、学習者にとってログインの手間があるMoodle以外のプラットフォームの利用も検討したところ、iSpringは直接リンクを貼ればよいためどこでも可能と言える。ただ、クラウドの容量の問題、そして学習者のログが取れるかどうかの問題は残る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
課題1の対象者数が目標を大きく下回ったため、研究計画の変更などもあり、当初の計画よりも遅れた。助成期間を1年延長し、ひとりでも多くの対象者を確保することに努めることにした。 課題2は課題1の進みに合わせてリソースの探索を行っているため、同様に遅れ気味である。リソースを購入や契約の延長が必要であるため、残された資金との兼ね合いもあるが、今後も広く候補のリソースで試作していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
課題1は対象者が少なくても、介入群、対照群の成果の差を検討し、このシステムの効果を評価する方針に変更はない。現在までに得られているデータの中に、特にインタビューで対象者から語られた内容には効果を感じさせる語りもあった。いずれの群も実習に臨むにあたりイメージがしやすかったこと、また、介入群では望ましくないアセスメントを選択したために事例を苦しい状態にしてしまったという失敗から学んだことの振り返りがあった。これは当初のこのシステムの教育的なねらいであり、手ごたえを感じている。研究期間が過ぎたら、システムを広く自由に使える方策を考える。また、AIを活用してこのシステムを作成すること、現在の選択式回答のアセスメント問題を文字入力にしてAIに管理させることが可能かを検討していきたい。
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