研究課題/領域番号 |
21K11161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
戸田 淳氏 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (00804618)
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研究分担者 |
細川 貴之 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30415533)
矢野 実郎 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (30550397)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | フレイル / 認知課題 / 認知症予防 / 認知的負荷 / 運動負荷 / 高齢者 / 運動 |
研究開始時の研究の概要 |
フレイルは認知症への移行が懸念されるハイリスク因子で、その予防策は喫緊の課題である。これまで認知症予防には、有酸素運動の効果が示されているが、フレイル高齢者や車いす利用者に有酸素運動を推奨することは難しい。そこで申請者らは、有酸素運動よりも課題の複雑さに着目し、低負荷の上肢運動と認知課題を同時に行う認知チェア・エクササイズを開発してきた。本研究では、これまでの研究手法をさらに発展させ、フレイル高齢者が安全に実践できる認知症予防プログラムの開発を目的とする。方法として健常高齢者を対象にランダム化比較試験を行い、40週間の本プログラムの継続実施効果を脳活動、身体活動、認知機能の各側面から検証する。
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研究実績の概要 |
フレイルは、認知症への移行が懸念されるハイリスク因子で、その予防策は喫緊の課題である。これまで認知症予防には、有酸素運動の効果が示されているが、フレイル高齢者に有酸素運動を推奨することは難しい。そこで申請者らは、有酸素運動よりも課題の複雑さに着目し、低負荷の有酸素運動であっても認知課題と組み合わせることで認知症予防効果は得られると考えた。そしてフレイル高齢者や車いす利用者が安全に継続的に取り組める運動と認知課題を融合させた新たな認知・運動プログラムの構築を目標としている。現在、上肢運動(ハンドサイクル)と認知課題(逆呼称:呈示された絵の名称を逆に答える)を同時に行う二重課題プログラムの開発を進めている。運動負荷については、3Mets以上が中等度の運動・身体活動に相当するとされ、また健康づくりに適した主観的運動強度の範囲は11~13とされている。本研究では対象がフレイル高齢者であることを念頭に置いて、一般的な運動プログラムよりも低負荷の運動を想定している。また認知課題である逆呼称課題については、呈示する絵画が反応潜時に影響を与えることが考えられる。そのため2023年度は、モーラ数や語の親密度などの言語心理学的な要因について検討を行った。さらに絵画を呈示する間隔については慣れの影響を排除するため、ランダマイズ化して設定することが妥当と考えた。今後は、現在進めているフィールド調査を継続し、fNIRSを用いプログラム実施時の前頭前野の脳賦活、認知課題の正答率、反応潜時および誤反応分析を並行して行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に基づき基礎的な実験の成果から、本研究の認知・運動プログラムにおける認知課題は、注意やワーキングメモリ、言語機能を要する逆呼称課題とし、運動課題は、フレイル高齢者でも取り組みやすい低負荷の上肢運動で構成することにした。今後フィールド調査において、データ収集を継続する予定である。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、二重課題時のfNIRSデータの解析を進めながら、認知課題の正答率、反応潜時についても分析を進めていく予定である。特に逆呼称課題については、目標語のモーラ数による違い等も検討し、単一課題条件と二重課題条件の誤り方の違いや傾向についても分析していく予定である。本年度までに得られた結果を集約して、論文化の作業を進めていく。
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