研究課題/領域番号 |
21K11168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
木田 裕之 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70432739)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 運動学習 / シナプス可塑性 / AMPA受容体 / GABA受容体 / GABA抑制 / layerV / GABA / 脱抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
運動障害に対するリハビリテーションや効率の良い運動学習の確立には、大脳皮質一次運動野(M1)におけるシナプス可塑性メカニズム解明が必要である。申請者は、これまでの研究から運動トレーニング直後、M1の各層においてAMPA受容体を介した興奮性シナプス強化とともにGABA応答が減弱する「脱抑制」によってシナプス伝達効率が亢進していることを発見した。本研究では、光遺伝学的手法を用いて、M1内の抑制性細胞の活動を制御し、運動学習時におけるGABA脱抑制の意義を明らかにする。
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研究実績の概要 |
運動学習における一次運動野V層のシナプス可塑性を明らかにするために、雄ラットを用い、運動学習課題としてローターロッドテスト(1日10試行・2日間)を行った。訓練後でなく、訓練前にV層のNMDA受容体を阻害すると、学習成績が著しく低下するため、スキル獲得には興奮性シナプスの可塑性が必要である事が明らかになった。スライスパッチクランプ法でV層錐体細胞群を解析すると、訓練30分以内にGABAニューロンによる自発性の脱抑制が発生し、続いてAMPA受容体を介する興奮性シナプス群が強化された。さらに動物の運動成績は、AMPA受容体を介する興奮性シナプス電流の平均値と強い正の相関を示した。次にV層錐体細胞群を可視化したThy1-YFPマウスを使って、live imaging法で同一スパインを三日間追跡した。すると、訓練によってV層錐体細胞群の相当数のスパインが急速に動員され、体積変動タイプが減って、平均スパイン体積が急性的に増加する事が判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は抑制性細胞のシナプス可塑性に焦点を当てるため、複数の遺伝子改変マウスを使用する予定であったが、マウスの維持・管理にスペースとコストが不足したため。
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今後の研究の推進方策 |
ウイルスを使用して細胞を標識し、引き続きパッチクランプ法を用いたスライス実験を行い、電気生理学的に脱抑制メカニズムを明らかにしたい。
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