• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

運動習慣による病的疼痛の予防効果の検証とその機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K11180
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59010:リハビリテーション科学関連
研究機関金沢医科大学

研究代表者

大道 美香  金沢医科大学, 医学部, 講師 (30581079)

研究分担者 大須賀 浩二  愛知医科大学, 看護学部, 教授 (40378013)
大道 裕介  金沢医科大学, 医学部, 准教授 (50506673)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード運動習慣 / 慢性痛 / 不活動 / 予防 / アロディニア / 光遺伝学
研究開始時の研究の概要

種々の疾患や痛みに続発する身体動作の回避・不適切な安静処置による不動化がもたらす身体不活動は、病的疼痛の発症・増悪因子となる。この病的疼痛の発症に対して、身体不活動による病的疼痛を発症するギプス固定後慢性痛(CPCP)モデルラットを用い、運動習慣による予防効果の検証を行ってきたが、ラット個々の運動性の違いが大きな障壁となっている。
本研究では、安定した高い運動量を確保できる高運動ラットの継代飼育システムを完成させ、高運動ラットに対してCPCPモデル処置前に行った運動が病的疼痛に及ぼす影響を調査し、運動習慣による病的疼痛の予防効果の科学的根拠を探索する。

研究実績の概要

本研究の目的は、運動習慣が病的疼痛の発症に関与する重要因子に及ぼす影響を評価し、運動習慣による病的疼痛の予防効果を検証することである。本研究では、高運動ラットの継代飼育システムを構築し、ギプス固定後慢性痛(CPCP)モデル処置前の高運動ラットにおける運動量や期間が病的疼痛行動に及ぼす効果を継続して検討している。
高い運動量の確保を目的として、高運動ラットの継代飼育システムの構築が完成し、安定した繁殖が可能となった。 この高運動ラットに対してCPCPモデル処置前に自発運動行い、病的疼痛行動(A:広範囲機械痛覚過敏行動、B:冷覚アロディニア)に及ぼす影響を評価したところ、Aでは、慢性期の非固定側の足底や尾部への拡大抑制と両側の筋痛の減弱傾向が確認された。さらに、Bでは、慢性期の両側の足底において減弱傾向が確認された。AとBの病的疼痛行動の結果は、運動量や運動期間に依存して減弱傾向が確認できた。
また、病的疼痛行動(C:触覚アロディニア)の評価のため、高運動ラットとAβ線維にW-TChR2V4トランスジェニックラット(ChR2ラット)の交配が順調に進み、現在、触覚アロディニアの評価ができる状況になりつつある。検討段階ではあるが、CPCPモデルラットの処置前に自発運動を実施した群と未運動群を比較したところ、触覚アロディニアの減弱傾向が確認されつつある。
これらの結果から、運動習慣により獲得された高フィットネス状態は、身体不活動による病的疼痛行動(A、B、C)の発症、維持、および拡大の予防効果があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

高運動ラットの継代飼育システムが完成し、安定した繁殖が可能となった。 この高運動ラットを用いて、CPCPモデル処置前に自発運動を実施し、その後の病的疼痛行動(A:広範囲機械痛覚過敏行動、B:冷覚アロディニア、C: 触覚アロディニア)の評価を行ってきた。AとBについては、運動習慣による病的疼痛行動の予防効果の検証が完了した。しかし、Cの評価においては、高運動ラットの継代システムがまだ構築中(現在F5世代)であり、病的疼痛行動の評価がやや遅れている。
さらに、当初予定していた病的疼痛行動の発症に関わるキー遺伝子制御に及ぼす効果の検証にはまだ至っていない。

今後の研究の推進方策

高運動ラットの産生システムが構築され、確実に高運動ラットが産生されることにより、病的疼痛行動の予防効果の検証が大きく進展した。この高運動ラットを用いて一定期間の自発運動を実施し、CPCPモデル処置後の慢性期における病的疼痛行動(A:広範囲機械痛覚過敏行動、B:冷覚アロディニア)の抑制効果が運動量や運動期間に相関して確認された。今後は、病的疼痛(C:触覚アロディニア)の評価を進めるために、高運動ラット-ChR2ラットの交配・継代システムを構築していく。
また、モデル処置後に発症する病的疼痛行動の減弱傾向を確認できたモデル動物を用いて、運動習慣による病的疼痛行動の予防効果に関連する重要な遺伝子変化をPCR法で解析し、それに随伴するタンパク質レベルの変化を免疫組織化学染色やウェスタンブロッティングの手法を用いて解析を進める予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Tempolはギプス固定後慢性痛モデルのDNA酸化損傷と自発的疼痛様行動を抑制する2024

    • 著者名/発表者名
      大道美香
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 身体不活動は神経原性炎症と脊髄ー外側腕傍核ー扁桃体路の活性化を通じて触覚アロディニアの発現に寄与する2024

    • 著者名/発表者名
      大道裕介
    • 学会等名
      第129回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi