研究課題/領域番号 |
21K11185
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
佐々木 千穂 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (30569603)
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研究分担者 |
境 信哉 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (30299804)
竹島 久志 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (80216887)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 重度肢体不自由児 / 医療的ケア児 / コミュニケーション発達支援 / 言語獲得 / AAC / オンライン学習システム / ICT / 意思伝達装置 / 脊髄性筋萎縮症 / 気管切開 / コミュニケーション支援 / 医療的ケア / 遠隔支援 / 音声喪失 / 言語発達 / 拡大代替コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
生後早期に気管切開などによる音声喪失を伴う重度肢体不自由児に対して、小児の発達支援に特化した意思伝達機能をもつアプリケーションソフトを開発して、すでに我々が開発しているオンライン学習システムを併用した遠隔支援を併用したより早期からのコミュニケーション発達実践介入支援研究を通じて、当該児が早期に言語獲得に至る支援理論および支援方法を提唱する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度の経過をふまえ、重度障害児のコミュニケーション発達支援システム(仙台高専、竹島研究室のサイトにて公開)に不足していたプログラムを新たに開発し、研究協力者(重症難病児とその養育者ら)に実際に試行した。その結果を踏まえて改変や言語獲得理論やモデルの構築の参考とした。研究者らの情報交換は主にオンラインを活用し、月1~2回程度、協力者らを交えてオンラインミーティングを継続開催した他、オンラインシステムを併用し、随時研究協力者らの情報共有を行った。 また、今年度は脊髄性筋萎縮症など、知的障害がないと考えられている重症難病児に加え、知的障害を併存する児や、指の操作が行える程度のより軽度の児らの言語獲得についても、実践介入を交え従来の群との比較を行い参考資料とした。さらに、脊髄性筋萎縮症の最重度児(0型)についても、機器の操作に関して既存の入力手段では対応できない児らに対し、AI機能を搭載した機器を使用した介入支援を試み、経過を検討中である。 本研究テーマの大きな柱の1つでもある、使用するツールが言語獲得に与える影響についても、視線入力機器やスイッチ入力等、モダリティによる差を養育者らの報告と記録画像を基に分析を継続中である。またここまでに得られた結果を踏まえ、先行研究や海外を含めた関連研究および関連する学問領域等の知見に照らし、観察された事象を試案への改変や修正へ反映させると共に、言語獲得モデルの完成を目指している。 成果報告に関しては、主に認知機能の発達促進を目的にした学習プログラムの開発および試用に関する内容について行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で、予定では共同研究者らとも分担・協働して行うはずの訪問支援が十分行えない時期も長かった。そのため、対象児の学習におけるプログラムの使用状況や問題点の詳細な把握が滞る傾向にあった。さらに、昨今の社会的状況を反映し、研究協力者(重症難病児やその養育者ら)らの体調不良も多く、研究協力に関する一次中断を余儀なくされることもあった。さらに感染状況等によっては訪問支援を見合わせざるを得ないこともあり、その間、高機能な機器類の導入や使用サポートなど、対面でないと進められない事項に関係する要因による遅滞もあった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度前半は、2022年度までに開発したプログラムと言語獲得モデル試案のブラッシュアップおよび検証を行う。申請書にも記載していた、ICT導入の際に使用する学習支援プログラム(現在開発中のものは秘匿中)の改変・完成を目指し公開する。言語獲得モデルについては、試案から追加・改変したものを含み、言語獲得からより高度なコミュニケーション(語連鎖や文章表現など)への移行に必要な支援について、実践介入支援の結果を踏まえて考察を行う。検討を踏まえ、言語獲得モデルの試案を修正し、前言語期から言語期、文レベルでの表出までの一連の流れをICT機器類使用が可能になるプロセスについて、脳科学や言語科学等の関連分野から検討を行う。 2023年度後半は、各研究者らの分野・領域ごとに成果報告を行う。日本難病医療ネットワーク学会等、国内外の関連学会での報告を予定している。また次年度依頼を受けている招待講演等においても、本研究の成果を含める。学会発表に続き、論文化を進める。
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