研究課題/領域番号 |
21K11186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
岩下 佳弘 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (70623510)
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研究分担者 |
桑原 孝成 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (00393356)
飯山 準一 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (00398299)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 温熱 / プレコンディショニング / シスプラチン / 尿細管 / 全身温熱刺激 / TRPV4 / heat shock protein / 急性腎障害 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
リハビリテーション医療において、温熱治療のほとんどが筋緊張の緩和、慢性疼痛の軽減、局所循環の改善を主目的に用いられています。私たちは温熱を腎疾患の治療に適応できないか研究しています。これまでの基礎研究で、抗がん剤であるシスプラチンによって生じる腎障害を温熱によって軽減できることを見出しました。本研究では腎保護作用における熱受容タンパク質の役割を明らかにすることを目的としています。
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研究実績の概要 |
マウスの深部体温を1~2℃上昇させる受動温熱によるプレコンディショニング(TP)は、シスプラチン投与による尿細管傷害を軽減することを確認した。熱受容体TRPV4とシャペロン蛋白質HSP27に着目し、TPによるCis尿細管細胞傷害の軽減機序におけるTPRV4の役割について検討した。ラット近位尿細管細胞(NRK52E)のTRPV4を薬理学的阻害またはノックダウンし、TP(40.0±0.5℃)から6時間後のHSP27mRNAおよび蛋白質量を評価した。TRPV4を薬理学的阻害またはHSP27をノックダウンし、TPから6時間後にシスプラチンを添加した。シスプラチン添加から24時間後に細胞増殖能、炎症性サイトカイン関連遺伝子およびアポトーシス関連蛋白質の発現を評価した。TRPV4ノックダウンおよび薬理学的阻害は、TPによるHSP27の誘導を抑制した(p<0.01)。シスプラチン群のcell viability減少、Kim-1、Tnfα、Il6 mRNA、cleaved caspase 3の増加はTPにより抑制された(p<0.01)。TRPV4薬理学的阻害+TP群ではcell viabilityが減少しKim-1、Il6 mRNAが増加した(p<0.01)。HSP27ノックダウン+TP群では、cell viabilityの減少およびTnfα mRNAが増加した(p<0.01)。シスプラチン添加前の温熱プレコンディショニングは近位尿細管細胞傷害を軽減した。その機序には、TRPV4による熱受容およびHSP27の誘導が関与する可能性が示唆された。
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