研究課題/領域番号 |
21K11190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平野 友紀子 東京大学, 医学部附属病院, 言語聴覚士 (80868795)
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研究分担者 |
高橋 路子 東京大学, 医学部附属病院, 言語聴覚士 (80869123)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30344451)
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80372390)
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10396715)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 口唇口蓋裂 / 鼻咽腔閉鎖機能 / 鼻音化率測定装置ナゾメーター / 口蓋裂幅 / 音響特性機器ナゾメータ / 口唇口蓋裂患者 / 鼻音化率計測装置 / ナゾメーター |
研究開始時の研究の概要 |
口唇口蓋裂患者において口蓋形成術後の言語成績評価は、手術の成否を決定する重要因子である。既存の言語成績評価法は、言語聴覚士による聴覚印象といった主観的評価が主軸であること、加えて、評価対象となる患者は3~5歳の低年齢児であり、各種検査結果が曖昧となることも少なくない。申請者は過去に、術前1歳時の口蓋裂幅が術後5歳時の言語成績を予測できる因子であることを確認し、低年齢児に対する言語成績評価において重要な知見を得た。本研究では、音響特性機器ナゾメーターを用いた定量評価を加え、術前口蓋裂幅と術後言語成績の因果関係を明確にする。
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研究成果の概要 |
鼻音化率計測装置ナゾメーターを用いて鼻音化率を計測し、従来の言語聴覚士による聴覚判定と比較し、鼻咽腔閉鎖機能を評価する際の有用性について検討した。言語聴覚士による判定で鼻咽腔閉鎖機能良好と不全に分け、刺激音・文(「い」、「つ」、低圧文、高圧文)の鼻音化率の平均値と最大値について2群間で有意差があった。ROM解析では、AUC値は「つ」と高圧文のNS平均値、最大値が0.9以上であった。Cutoff値は平均値において、概ね20%台、最大値で60%から80%が有用であった。裂幅は広くなるほど、鼻咽腔閉鎖機能は悪化する傾向がった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鼻咽腔閉鎖機能は、言語聴覚士による聴覚判定を主とし、鼻咽腔ファイバーやCTによる画像診断などで総合的に判定を行う。しかし、聴覚判定は言語聴覚士の経験に依存し定量的な数値では表すことができないこと、ファイバー検査等は侵襲が大きく、評価するのに最も重要な時期である5歳程度の患者では協力を得られないことがある。鼻音化率計測装置ナゾメーターは侵襲が少なく、定量的な数値で表すことができる装置である。この装置を用いた新規診断基準値を設定することは口蓋裂患者の言語評価に大きく寄与すると思われる。また、術前の口蓋裂幅と比較し、術前に術後の鼻咽腔閉鎖機能を予測することができ、包括的治療体系を確立できる。
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