研究課題/領域番号 |
21K11209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
神谷 正樹 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 作業療法士 (40790506)
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研究分担者 |
近藤 和泉 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 病院長 (50215448)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 表情分析 / 軽度認知障害 / アルツハイマー型認知症 / 人工知能 / 認知症 / アクティビティ / AI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、認知症患者のグループアクティビティ場面において、AIを用いた表情分析を実施し、同時に同伴している介護者が観察指標の評価を行ううことで表情分析の数値と感情評価が一致しているか確認し、患者のレベルごとにアクティビティが適切かを同定する。また、複数名を対象とした表情分析も実施し、多数同時の評価が可能か検証を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、集団リハビリテーション(リハ)中の軽度認知障害(MCI)とアルツハイマー型 認知症(AD)者の感情の違いを、表情分析を用いて探索的に検討することを目的とした。 方法は、当センターでは、MCIおよび認知症者に対して有酸素運動、認知訓練、運動と認 知訓練を組み合わせた二重課題、製作活動のリハを集団形態で行っている。本研究では、これに参加した30名の患者(MCI14名、軽度・中等度AD16名)を対象とした。4種の課題中に、対象者の顔を正面から小型カメラで撮影し、顔のパーツ位置の組み合わせから人工知能で感情値(怒り、軽蔑、嫌悪、恐怖、喜び、悲しみ、驚き)を推定する心sensor(株式会社シーエーシー)を使用して、各課題の感情値を算出し、MCI群とAD群で感情値を比較した(Mann-Whitney U検定、有意水準5%)。 結果は、二重課題時はAD群がMCI群よりも恐怖(AD群17.8[5.08-22.57]、MCI群4.26[0.56-6.27])と驚き(AD群40.32[16.32-51.26]、MCI群11.87[3.40-19.12])の感情値が有意に高く(p=0.016,0.016)、製作活動時はMCI群がAD群よりも喜び(MCI群23.91[15.99-44.86]、AD群5.69[0.16-14.59])の感情値が有意に高かった(p=0.012)。その他は、両群間に有意差を認めなかった。 身体活動と同時に認知的な思考が要求される二重課題や製作活動はAD者には難易度が高かった。一方、MCI者では、製作活動のような多様な認知機能を使用する課題が喜びを惹起していた。また、二重課題訓練では転倒に対する不安と緊張による驚きの感情がADで高くなったものと推測された。これらの結果に基づき、当事者の感情に配慮した課題の提供や支援が望ましいと思われた。
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