研究課題/領域番号 |
21K11223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 澄 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (60284189)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
谷 里奈 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20783872)
川原 勲 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80524975)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サルコペニア / 中鎖脂肪酸 / ミトコンドリア / ミトファジー / ミトコンドリア品質管理 / 骨格筋分化 / 細胞死 / COVID-19 / 食餌療法 / 運動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、SARS-CoV-2ハムスター感染モデルを用いて、COVID-19関連骨格筋萎縮の病態を解明し、中鎖脂肪酸とグルコースを用いた栄養介入にさらにlow dose exerciseを負荷し、その効果を検証することにより、COVID-19患者の早期退院と早期社会復帰を促進するリハビリテーションの方法を見出す。COVID-19患者におけるサルコペニアの改善は、全身のフィジカルな機能の改善から、生理的・社会的活動性を改善し、後遺症の軽減を可能にすると期待される。
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研究実績の概要 |
昨年度、3種の中鎖脂肪酸による骨格筋への影響を検討し、サルコペニアへの有効性を考察した。本年度は、3種の中鎖脂肪酸の影響の詳細についてとくにミトコンドリアに対する影響の観点から検討した。Mitophagyはミトコンドリアを選択的に分解し, ミトコンドリア品質管理の役割を担っている。我々は中鎖脂肪酸であるカプリル酸(C8)が骨格筋分化とミトコンドリア品質管理の観点から検討を行った。実験にはマウス筋芽細胞株C2C12を用いた。C8(200µg/mL)ならびにautophagy阻害剤であるクロロキンで48時間前処理し, 分化誘導を行った。その結果, C8に対するC8+クロロキン処理はmitophagy関連タンパクであるLC-3, PINK1, Parkinが増加し, ミトコンドリア新生に関与するPGC-1αは低下した。ミトコンドリア量を示すTOM20に有意な差を認めなかった。フラックス解析によりミトコンドリア機能を検討したところ, C8に対して C8+クロロキン処理は基礎呼吸、最大呼吸、ATP産生量を抑制し, proton leak, ROSの産生が亢進した。さらにC8+クロロキン処理により, 分化マーカーであるMyo D, Myosin heavy chain発現量は抑制された。以上よりカプリル酸はミトコンドリアターンオーバーを促進することで, 骨格筋分化に寄与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中鎖脂肪酸の中でもカプリル酸が骨格筋に対してミトコンドリア品質管理を促進し、筋促進作用することを見出した。これは、種々の原因によるサルコペニアに対して、同様な効果を果たすことが期待される。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討は、培養系で行ってきた。今後は動物モデルを用いてサルコペニアに対する作用を解明する。さらに、運動負荷による脂肪酸効果への影響も検討する。
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