研究課題/領域番号 |
21K11257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大阪河崎リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
中村 美砂 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 教授 (70285386)
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研究分担者 |
河野 良平 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (70569110)
大篭 友博 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (80584755)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 認知機能 / 運動 / エキサカイン / 遺伝子 / 血中生理物質 / マウス / 海馬 / マイクロアレイ / エクサカイン / 性差 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症予防を目的とした運動療法としての性差については不明である。そこで性差に着目して運動誘発性物質エクサカインの同定を行い、それらが認知機能にどのような効果を示すか、認知機能の各段階にどのような効果を示すかを明らかにすることを目的とする。現在の運動指導に、性差を意識した指導が加わることにより、認知症予防または進行抑制により効果的な結果が期待できると考えられる。また、本研究によって得られた結果は、運動器障害のある人を対象とした認知症予防のための運動模倣薬の開発への一助となることが期待される。
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研究実績の概要 |
前年に報告したX1遺伝子はトランスサイレチンである。地域高齢者を対象に、運動介入前後における血清TTRレベルの変化について調べたが、運動による変動は男女ともに見られなかった。TTRレベルは、軽度認知障害(MCI)および認知症と関連していることがいくつかの研究で示されている。前年より引き続き、本研究は、表現型として正常な認知機能 (NC) からMCIへの変化のバイオマーカーとしてのTTRの有用性を明らかにすることを目的とした。[方法] 地域在住高齢者を対象とした。認知機能は、Addenbrooke's Cognitive Examination Revised (ACE-R)を使用した。ACE-RスコアによりNC、MCI、認知症に分類された。2時間の絶食後に採血を行い、血清TTR値とアルブミン値を測定した。まず横断研究では、211名(平均年齢74.58歳)を対象に認知機能スコアとTTRの関係を調査した。次に縦断的研究で、29名を対象に32か月間にわたる NCからMCIへの移行における TTRレベルの関与を調べた。[結果] 重回帰分析の結果、NC群では、血中TTRレベルはACE-Rスコアと有意な関係が見られた (β = -0.295、p < 0.01)。 MCI群と認知症群では TTR レベルとの関連性は見られなかった。NC群では、血中TTRレベルはACE-Rサブドメインの記憶 (β = -0.584; p < 0.01)と言語(β = -0.743; p = 0.031) と有意な関連が見られた。縦断的研究では、MCIの女性のベースラインでの TTR レベルが NC の女性よりも有意に高い(p = 0.044)ことが明らかとなった。[結論] 以上の結果は、高いTTRレベルが、NC高齢者のMCIへの移行の予測因子となる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスでの解析結果と本研究テーマとの関わりについての考察に難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年にマウスで明らかにした運動により変化する遺伝子を再整理して、文献学的な知見と合わせて運動によって分泌される物質とその性差について考察を行う。さらに以上の結果を論文として発表する予定である。
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