研究課題/領域番号 |
21K11261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石津 洋二 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (90648734)
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研究分担者 |
本多 隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10378052)
梅垣 宏行 名古屋大学, 未来社会創造機構(医), 教授 (40345898)
山本 健太 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80852582)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | サルコペニア / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアに対する治療は運動療法であるが、十分な効果を得られないことが多い。近年、腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸が骨格筋と関係している事が明らかになった。短鎖脂肪酸は腸内環境を整えることで炎症を抑え、それにより骨格筋の分解を抑える働きを持つ。さらに筋肉におけるエネルギー代謝にも関連し、運動時の易疲労性に対し予防的に働く。以上のことから、運動療法に短鎖脂肪酸産生を増加させるような腸内細菌叢への介入を加えることで、運動療法の効果を増強できるのではないかと考えた。そこで本研究は、サルコペニアに対し、腸内細菌叢への介入による効果的な運動療法を開発することを目的とする。
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研究実績の概要 |
肝硬変患者におけるサルコペニア発症の要因として、吐き気や腹部膨満感などの消化器症状や食欲低下、慢性炎症、高アンモニア血症などが関与していると考えられているが、実際にこれらの要因のうち、最もサルコペニアとの関連性が強い因子については不明である。R3年度は運動栄養療法の効果と関連する腸内細菌叢について検討を行い、アミノ酸合成に関連する遺伝子量の違いがあることを見出しており、サルコペニアの治療における栄養の重要性を明らかにした。そこで、食事の摂取とサルコペニアとの関連について食欲に着目して検討を行った。肝硬変患者を対象に、食欲、消化器症状、TNF-α、IL-6濃度などの因子とサルコペニアとの関連性について検討した。食欲低下は約1/3の症例で認められ、食欲低下の有無による比較を行ったところ、女性であること、および吐き気や酸逆流などのGERD様症状や腹痛が食欲低下に関連していた。一方で慢性炎症に関連するサイトカインであるTNF-α、IL-6濃度には有意な差は認めなかった。次にサルコペニアとこれらの因子との関連性について検討したところ、肝予備能やTNF-α、アンモニア値はサルコペニアとは関連無く、年齢や進行した肝細胞癌はサルコペニアと関連する傾向を認め、食欲低下が有意に関連する因子として抽出された。このことから、肝硬変におけるサルコペニアでは慢性炎症や高アンモニア血症対策ではなく、食欲を増進させ、十分な栄養を体内に取り入れることが重要であることを明らかにした。また本年度計画していたヒトを対象とした酪酸産生菌をターゲットとしたプレバイオティクスを加えた運動栄養療法の開発について、現在プロトコールを作成中であり、R5年度から開始を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R3年度の研究で、当初計画していた酪酸産生菌であるPrevotella属と運動栄養療法の効果において関連性を見出すことが出来ていないため、昨年度から継続して運動栄養療法の効果に関連する腸内細菌の同定を目的として、症例数を増やして検討しているが、明確な結果が出ていない。そのため、視点を変えて、R4年度は栄養療法の観点から検討を行い、食事摂取の重要性を明らかにした。しかし、本研究の目的である腸内細菌叢をターゲットにした治療開発という点に関しては、ヒトを対象としたプレバイオティクスを併用した運動栄養療法についてはまだ開始されておらず、研究としてはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
運動栄養療法を行った症例数が若干増えているため、それらの腸内細菌叢を解析し、治療効果との関連性の検討をさらに行っていく。また併せて保存検体を用いて、アミノ酸解析も行う。さらにヒトを対象としたプレバイオティクスを用いた運動栄養療法をR5年度中に行う予定である。
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