研究課題/領域番号 |
21K11277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
脇田 正徳 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (70890888)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 高齢者 / バランス / 転倒予防 / 運動解析 / 予後予測 / バランストレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、高齢者の転倒予防のために、デュアルベルトスプリットトレッドミルを用いた歩行練習システムを開発した。本トレーニングによってバランス能力が有意に改善することを報告したが、高齢者がどのように課題に適応するのか、トレーニング中のパフォーマンスの変化については未解明であった。この問題を解決するために、本研究では以下の3課題を実施する。 1)トレーニング中に獲得されるパフォーマンスを3次元動作解析機器を用いて同定 2)初回のトレーニング中のパフォーマンスから、トレーニング効果を予測するモデルを作成 3)対象者が獲得すべきパフォーマンスを特定し、それらを集中的にトレーニングするための治療アルゴリズムを作成
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研究実績の概要 |
本年度は、健常高齢者60名の2レーン式トレッドミルを用いたバランストレーニング中のパフォーマンスについて、マーカーレス式3次元動作解析装置によるデータ解析を行った。解析指標として、5つの移動方向(前方、後方、側方、斜め前方、斜め後方)ごとの所要時間、体重心の総軌跡長、Jerk Index、移動方向へのピーク速度までの時間などを抽出した。バランス能力によるパフォーマンスの違いを検証するために、Community Balance and Mobility Scaleで対象者をバランス良好群と不良群に分類し、両群のパフォーマンス指標の違いを検証した。その結果、バランス不良群では、側方、斜め前方、斜め後方移動の所要時間が有意に長く、レーン移動に伴う下肢蹴り出しや、対側レーン着地後のバランス制御が困難であることが明らかになった。また、側方、斜め前方移動時のJerk Indexが有意に高く、ベルト速度に応じた歩幅調整が困難であることが明らかになった。一方、後方移動時は、バランス不良群の方が所要時間や総軌跡長が小さく、減速による身体の後方移動よりも上肢リーチで制御していると考えられた。 本年度は、通所リハビリテーションに通う要支援、介護者に対する12週間のトレーニング介入の症例数も蓄積した。対象施設を1施設増やし、現在30名までリクルートし、トレーニング介入と前後でのパフォーマンス計測を完了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
通所リハビリテーションの利用者に対する、2レーン式トレッドミルトレーニングへのリクルートに難渋している。2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたが、対象施設で包含基準を満たす症例数が当初の想定よりも少なかったため、目標数に到達しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
対象施設の追加を行ったため、トレーニングのリクルート者数の増加が期待できる。施設スタッフとの連携を密にとり、40名の計測完了を目指す。
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