研究課題/領域番号 |
21K11282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
本多 武尊 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術支援センター, 主任研究員 (20761307)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 内部モデル / 小脳 / ウィスコンシンカード分類課題 / プリズム適応課題 / 順モデル / 逆モデル / 認知機能 / 脊髄小脳変性症 |
研究開始時の研究の概要 |
小脳で学習され形成される内部モデルが認知機能とどのような関係があるのかにつ いてヒトの行動実験で明らかにし(実験研究)、その結果に基づいて理論的枠組みを構築し、クリニカルインデックスを開発する(理論研究)。このインデックスを使用して小脳に障害のある患者について分布を調査し認知機能に関する小脳の障害を明らかにする(臨床研究)。以上の融合的研究により、小脳の内部モデル機能が関与する認知機能メカニズムの解明を目的とする。小脳機能回復のためのリハビリテーションばかりでなく、障害部位に対して小脳が補正するリハビリテーションの開発の基礎的知見になることが期待される。
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研究実績の概要 |
小脳は学習を行うことで内部モデルを構築し、日常の運動をスムーズに行うことを実現していると考えられている。また、先行研究で内部モデル情報を切り替えられる機能を発見した。そこで、本研究では、小脳で学習され形成される内部モデルが認知機能とどのような関係があるのかを学術的な問いとして、ヒトの 行動実験で明らかにし(実験研究)、その結果に基づいて、理論的枠組みを構築し、機能評価のためのクリニカルインデックスを開発する(理論研究)。このクリニカルインデックスを使用して小脳に障害のある患者の分布についてを調査し認知機能に関する小脳の障害を明らかにする(臨床研究)。以上の融合的研究により、小脳 の内部モデル機能が関与する認知機能メカニズムの解明を目的として研究を進める。 当該年度もCOVID-19感染拡大の影響を受け、新規の被験者数を増やすことが困難な状況であった。しかしながら、ヴァーチャルリアリティー (仮想現実:VR)技術と赤外線センサによるモーションキャプチャー技術を応用したシステムの開発が進み、VRのゴーグルを外すことなく運動学習の計測と心理学テストを切り替えて行える機能をよりスムーズに行えるように開発を進めた。さらに、眼球運動計測を実現し、タスクに関する被検者の戦略や考えなどの数値を目指した。その上で、 基礎的な理論的枠組みとして構築した理論式をベースにした理論モデルの計算機シミュレーションを行い、小脳が関与する認知機能として思考のメカニズム解明へ向けて実験を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
注視点の計測に成功しウィスコンシンカード分類課題について眼球運動でも遂行できるシステムの計測精度を上げ、理論研究においても健常者の思考に関わるモデル構築に進展があった一方で、COVID-19の影響があり、機器開発のための被験者数を増やすことができなかったため、やや遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
健常者や脊髄小脳変性症患者を中心に被験者数を増やし、データ収集と解析を進め、そのデータを基にした理論的枠組みの完成へと進めていく。また、それらの 成果を論文にまとめる。
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