研究課題/領域番号 |
21K11286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京電機大学 (2022-2023) 奈良先端科学技術大学院大学 (2021) |
研究代表者 |
趙 崇貴 東京電機大学, 理工学部, 助教 (50881653)
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研究分担者 |
横田 千晶 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (80300979)
高松 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 客員教授 (90510884)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 運動の随意性 / 皮膚変形 / 距離センサアレイ / 他動運動 / 自動運動 / 皮膚表面形状 / 脳卒中リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
自立度などに着目した従来の脳卒中リハビリテーションにおける運動機能評価は、一定の運動機能の到達がなければ機能改善として反映されないため、機能回復に対して「感受性が高い時期」とされている脳卒中急性期という短期間での判定や重症麻痺例での詳細な機能回復の判定には、不向きといえる。そのため、急性期脳卒中への新たなリハビリテーション法の導入には、短期間での判定が可能かつ重症麻痺例にも応用可能な、機能評価システムの開発が必須である。本研究では、異なる運動特徴を有する自動運動と他動運動の皮膚表面形状を比較することにより、「随意性の抽出と定量化」を目指した新たな脳卒中リハビリテーション評価システムを開発する。
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研究実績の概要 |
最終年度は,①主成分分析の再構成誤差による自動・他動運動時の皮膚変形の比較,②他動運動時の皮膚変形で学習された主成分分析に基づく随意運動の度合いを反映する特徴の抽出,③安定した他動運動時の皮膚変形計測に向けた運動ガイド装置の開発,に取り組んだ. ①について,昨年度までの研究成果によって皮膚変形に対して主成分分析を適用した際,第2主成分以降に他動・自動運動の差が生じることが明らかになったため,圧縮された第1主成分のみで皮膚変形を再構成した際の誤差から,他動・自動運動を区別可能か確認した.結果として,自動運動時の肘関節屈曲・伸展に伴って再構成誤差が増減することが確認された.②について,これまで対象とした等張性収縮に加え,等尺性収縮の条件も対象に,随意運動の度合いを反映する特徴を,皮膚変形から抽出可能か確認した.皮膚変形から抽出された第2主成分以降の特徴を複合主成分として合算し,随意運動の度合いを反映する特徴として算出した結果,等張性・等尺性収縮の双方で特徴の標準偏差が運動負荷に比例して変化することが確認された.③について,他動運動時の皮膚変形がその実施速度の影響を受けることから,他動運動の実施速度に応じた手先位置を視覚的に提示する装置を開発し,計測される皮膚変形のばらつきを軽減できることを確認した. 研究期間全体として,他動・自動運動時の皮膚変形を比較し,運動の随意性を定量化するための基礎となる手法,知見を,本研究を実施することにより整理することができた.また,脳卒中片麻痺患者の皮膚変形を解析するうえで,健常者を対象とした計測・解析方法が部分的に使用可能であるが,患者の運動機能に応じて,その方法を調整する必要があることも,本研究を実施することにより得た知見として挙げられる.
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