研究課題/領域番号 |
21K11287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
柴田 論 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (10263956)
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研究分担者 |
穆 盛林 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (00709818)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 携帯型機能的電刺激装置 / 衝撃吸収機能 / フィードバック機構内蔵型 / 膝関節内転角度 / 内転モーメント / 携帯型機能的電気刺激装置 / 歩行変容 / 大腿四頭筋の遠心性収縮 / 携帯型機能的低周波電気刺激装置 / オンラインフィードバック |
研究開始時の研究の概要 |
膝関節疾患のリハビリテーションに関する理学療法として,携帯型機能的低周波電気刺激 装置システムの開発を行う.そのために,①足裏に感圧センサーを設置し,歩行位相を把握 して膝関節運動にかかわる脚の筋肉へ刺激を与え,変形性膝関節症患者の歩行変容解析を行 い,②曲げセンサーを付加して変形性膝関節症患者の歩容状態をリアルタイムで計測・推定 し,歩容状態を好転させる刺激付与を大腿四頭筋に効果的に行うオンラインフィードバックシステムの開発を行う。そして,変形性膝関節症患者に提案システムを携帯,装着してもらった状態で歩行を行い,歩行変容の様子を実験的に調べ提案システムの有効性を確認する。
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研究実績の概要 |
歩行周期のうち立脚初期から中期を検知するために踵骨中央部に圧力センサを設置し,電気刺激により膝関節の衝撃吸収に寄与する大腿四頭筋の遠心性収縮を生じさせ,それにより動作変容を実現し,膝への負荷を軽減することを目指した携帯型機能的電刺激装置の効果について検討した.その結果,荷重応答期における膝関節最大屈曲角度が機能的電気刺激群において有意に高値を示し,同時期の床反力鉛直成分と後方成分は有意に低値を示した.また,膝関節最大内転角度時の膝関節パワーは電気刺激を施すことにより有意の低値を示した.これらの結果から,衝撃吸収機能が働きやすくなり本システムの有効性を確認することが出来た.この成果は学術論文として,ライフサポート34巻2号,pp.39-47に掲載されている. さらに,変形性膝関節症の痛みの原因となる歩行時の膝関節外側動揺を抑制するために,フィードバック機構内蔵型の機能的電気刺激装置の開発と評価を行った.踵骨中央部に設置した圧力センサと,膝関節の動きを検出する角度センサから刺激対象脚の接地時の膝関節外側動揺を検知し,昇圧チョッパ回路で昇圧した電気刺激を歩行のタイミングに合わせて膝関節周囲筋へ与えるものである.すなわち,ステップごとの膝関節外側動揺を検出して,次のステップに望ましい電気刺激強度を調整して出力することにより膝関節の外側動揺を抑制し,望ましい動作に変容させることを目的としている.このシステムの有効性を確認するために,重度の変形性膝関節症の患者6名に対して装着実験を実施し,膝関節内転角度と内転モーメントの改善を認め有効性を確認した.この研究成果は,The Proceedings of the 9th International Conference on Intelligent Systems and Image Processing 2022に掲載されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
動作変容を実現し,膝への負荷を軽減することを目指した携帯型機能的電刺激装置を開発し,その効果について膝関節症患者に対して実験的に評価した結果,有効性が認められた.そして,その成果は学術論文として掲載され,関連研究分野の研究者から高い評価を得られている. さらに,変形性膝関節症の痛みの原因となる歩行時の膝関節外側動揺を抑制するために,フィードバック機構内蔵型の機能的電気刺激装置の開発を新たに行い,重度の変形性膝関節症の患者に対して試験したところ,膝関節内転角度と内転モーメントの改善を認め有効性を確認した.そして,その成果も学術論文として掲載され,関連研究分野の研究者から高い評価を得られた. このように,当初の計画はもちろんのこと,それに加え新たな改良案を提案しそのシステムを構成することに成功した.さらにその効果についても有効性が認められたため,当初の計画以上に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
変形性膝関節症患者に対して歩行動作に合わせた機能的電気刺激を実施し,膝関節に加わるメカニカルストレスを動作変容にて軽減することを目的とした装置の開発に取り組む.これまでは膝関節外側動揺の変化を検知して,次のステップの刺激強度へとフィードバックし,より効果的な動作変容を実現するためのシステムを開発してきた).このシステムは足裏の踵骨中央部に取り付けた圧力センサにて踵の圧力変化に応じた抵抗変化をもとに立脚相初期から中期を検出し,この区間に電気刺激を実施していた.しかしながら被験筋に機能的電気刺激を実施してから筋収縮が発生するまでに約0.2[s]かかるとされており,この値は一般的な立脚相の時間のうち約30%~40%の割合を占めているため,立脚相中の十分な範囲で電気刺激による動作変容ができないといった問題があった. そこで,被験筋に機能的電気刺激を実施してから筋収縮が発生するまでのタイムラグを考慮した機能的電気刺激装置を提案する.具体的には靴のヒール部分に距離センサを装着し,踵接地の約0.2[s]前に相当する地面との距離を検出して,機能的電気刺激を実施することで歩行動作中の膝関節に生じる負荷を軽減できると考えられる. そして,変形性膝関節症体験装具を装着した健常者に対して提案した装置を装着して電気刺激を与えた場合と圧力センサを使用した装置を装着して電気刺激を与えた場合の膝関節内転角度,膝関節内反モーメント,歩行速度,ケイデンス,片脚支持時間,歩幅の6つのパラメータを比較することにより,提案した装置の有効性を検証する.
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