研究課題/領域番号 |
21K11297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
田中 尚文 帝京大学, 医学部, 教授 (40255568)
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研究分担者 |
石橋 遼 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (90750266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 運動感覚 / 機能的MRI / ワーキングメモリ |
研究開始時の研究の概要 |
健常若年者と健常高齢者に対して、運動に関する運動感覚性ワーキングメモリおよび視覚性ワーキングメモリを課し、各ワーキングメモリを保持している間の脳活動部位を機能的MRIにより同定し、両者の脳活動分布の異同と加齢による変化について検討する。そして、運動感覚性ワーキングメモリの神経基盤を解明するとともに、視覚性ワーキングメモリとの独立性を検証する。さらに加齢がそれぞれの神経基盤に及ぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ワーキングメモリはリハビリテーション医療において運動学習能力に関与する主要な認知ドメインの一つである。リハビリテーション医療では、運動学習の際に視覚情報だけでなく、運動感覚情報も教示しているが、運動感覚情報を扱うワーキングメモリ(運動感覚性ワーキングメモリ)の神経基盤は明らかにされていない。研究代表者はこれまでの神経心理学的検討を踏まえて、運動に関する運動感覚性ワーキングメモリは視覚性ワーキングメモリとは独立した神経基盤を有していると仮説を立てた。本研究の目的は、健常若年者と健常高齢者に対して、運動に関する運動感覚性ワーキングメモリおよび視覚性ワーキングメモリを課し、各ワーキングメモリを保持している間の脳活動部位を機能的MRIにより同定し、両者の脳活動分布の異同と加齢による変化について検討し、運動感覚性ワーキングメモリの神経基盤を解明するとともに、視覚性ワーキングメモリとの独立性を検証することである。具体的には、視覚性および運動感覚性ワーキングメモリの保持に関わる脳活動領域で構成される脳機能ネットワークがそれぞれのワーキングメモリに部分的であっても独立して関与しているかについて検討する。さらに、健常高齢者において同定した運動感覚性ワーキングメモリの脳機能ネットワークの構造を健常若年者と比較し、加齢による運動感覚性ワーキングメモリの低下に関わる神経基盤の変化を検討する。令和4年度は運動に関する運動感覚性および視覚性ワーキングメモリの遅延マッチング課題を健常若年者に課して機能的MRI実験を行ったデータを解析した。その結果、運動感覚情報提示条件に特異的な脳活動の上昇、つまり、視覚性情報提示条件よりも運動感覚情報提示条件の方が有意な脳活動上昇を認めた領域を左被殻に認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は数度の予備実験によって機能的MRI実験での課題の記憶負荷量を決定し、課題条件などの実験プロトコールを予定通りに確立した。そして、健常若年者を対象とした機能的MRI実験に着手した。令和4年度は健常若年者の実験データを解析し、運動感覚性ワーキングメモリ特異的な被殻の関与を明らかにすることができた。また、健常高齢者を対象として機能的MRI実験での課題の記憶負荷量を決定するための予備実験を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
健常高齢者に対して運動感覚情報提示条件および視覚情報提示条件でのワーキングメモリ課題の記憶負荷量を決定するための予備実験はすでに終えており、運動感覚性ワーキングメモリの加齢による変化を検討するため、健常高齢者を対象とした機能的MRI実験を開始する。
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