研究課題/領域番号 |
21K11299
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
宮口 翔太 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (60780343)
|
研究分担者 |
大鶴 直史 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50586542)
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 運動学習 / マイクロオフライン学習 / 神経ネットワーク / 経頭蓋交流電流刺激 / 脳磁図 / 運動スキル |
研究開始時の研究の概要 |
運動学習を向上させるための試みとして、これまで脳刺激法を利用して運動“練習中”に脳の興奮性を高める取り組みが多くされてきた。しかし近年、運動スキル向上の95%は運動練習間のわずか数秒の“休息中”に生じており(マイクロオフライン学習)、これには“神経ネットワーク”の変化が関与するという驚くべき事実が明らかになった。これまで我々は、大脳皮質の神経ネットワークを高める脳刺激法について多くの研究成果を残してきた。そこで本研究では、我々が取り組んできた脳刺激法を応用し、運動練習における休息中の神経ネットワークを強化することで、マイクロオフライン学習が高まるかどうかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
2022年度は,経頭蓋交流電流刺激装置(tACS)を用いて「休息中の神経ネットワークの強化によりマイクロオフライン学習が高まるかどうか」を検証した.2021年度において,当初予定していた刺激方法では効果が得られなかったため,追加実験として,刺激電極位置を変更して再検討を行った.対象は右利き健常成人28名とした.運動課題は,左手での系列反応時間課題(serial reaction time task:SRTT)とし,学習トライアルを36セット行い,翌日に保持テストを1セット行った.経頭蓋交流電流刺激(transcranial alternating current stimulation:tACS)は,右前頭領域に対して1.0 mAの強度,20 Hz(β帯域)の刺激周波数にて施行した.刺激条件は,SRTTの学習トライアルの1-11セット間の1分間の休息中にβ帯域のtACSを施行する条件(βtACS条件)と擬似刺激条件とした.本研究の結果,刺激条件間に運動学習効率の有意な差は認められなかった.しかし,いずれの条件においても1-11セットまでは休息中に運動スキルが向上し,12-36セットでは運動課題中に運動スキルが向上する結果となった.本研究により,運動練習間における短期的な休息中にβtACSを施行しても運動学習効率は向上しないことが明らかになった.また学習段階によって運動スキルが向上するタイミングが異なることが明らかになった.今後は,刺激方法を再検討することや,運動課題の分析を進めるとともに,当初2021年度に計画していた「tACSによる神経ネットワークの変化の検証」も進めていく必要がある.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初2021年度に計画していた研究課題は先送りとなっているが,現在2022-2023年度に計画していた研究課題が進められており,一部のデータが収集できている ため概ね順調に進展していると考えている.
|
今後の研究の推進方策 |
現在データ計測を進めている研究課題では,仮説していた刺激効果は得られないのではないかと予想している.そのため今後は,刺激方法の再検討や,運動課題 の分析を進めていく必要があると考えている.また2021年度に計画していた研究課題も進める予定である.
|