研究課題/領域番号 |
21K11314
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
石松 祐二 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40533899)
|
研究分担者 |
神津 玲 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (80423622)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 間質性肺疾患 / 日常生活動作 / 身体活動量 |
研究開始時の研究の概要 |
間質性肺疾患(ILD)患者は労作性呼吸困難の進行により日常生活の活動が制限される。しかし、同患者の活動能力低下を従来の日常生活動作(ADL)評価法では十分に反映できず、過小評価されやすい。本研究の目的は「ILD患者の日常生活の活動能力を適切に評価するために身体活動量の意義を明らかにし、身体活動量の予測式を確立すること」である。身体活動量と従来のADL評価法との関連、さらに通常診療で実施される検査項目との関連を明らかにし、ILD患者の活動能力の評価において身体活動量の意義を明確にでき、かつ身体活動量の予測を確立できれば、ILDの疾患管理に大きく貢献ができると考えている。
|
研究実績の概要 |
間質性肺疾患(ILD)患者は労作性呼吸困難の進行につれ日常生活の活動が制限されるが、その「日常生活で活動する能力」については、従来の日常生活動作(ADL)評価法では過小評価されることが多く経験される。また、近年、慢性閉塞性肺疾患(COPD)において身体活動量(安静状態より多く消費されるエネルギー量)に関する報告が多く見られ、ILD患者においても報告が増えてきた。 本研究では、ILD患者の「日常生活の活動能力」を適切に評価するために身体活動計で身体活動量を測定し、ILD患者の身体活動量の特性を明らかにするとともに、従来のADL評価法や通常診療で実施される検査項目と身体活動量の関連性を明らかにしたい。さらに従来のADL評価法や通常診療で実施される検査項目から、身体活動量の予測式を確立することを目的としている。 令和4年度は、前回報告より9名増え、症例数は25名(男性 21名、平均年齢 71.2才)となった。これまでの集積では、身体活動量の代表的パラメータである1日歩数(中央値)は3499歩であり、70才以上の男性平均が5436歩であることから、同年代の64.4%程度といった低値を示した。また、1日歩数は、Body Mass Index(BMI),長崎大学呼吸器疾患ADL質問票(NRADL)得点、肺活量、肺拡散能、全肺気量、左握力、右握力、および大腿四頭筋力において正の相関を認め,修正MRCスケールとは負の相関を認めた。しかし、1秒量、1秒率、呼吸機能の身体障害者申請時に使用される安静時動脈血酸素分圧、運動耐用能を評価する6分間歩行距離とは有意な関連は認めなかった。また、前回途中解析では1日歩数と相関があった%肺活量、肺拡散能については有意な関連は認めなかった。今後、さらに症例を集積し、解析を進めて行く予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の罹患を懸念され、間質性肺疾患などの呼吸器疾患を有する患者は健常人よりさらに外出を控える傾向が強い。そのため、新型コロナウイルス感染症の患者が増加時期は、新型コロナウイルス感染症自体が身体活動量に影響することが予想され、その影響が強いときは研究参加を呼びかけできなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年5月8日に新型コロナウイルス感染症の取扱が2類相当から5類に取扱いが変わったことから、新型コロナウイルス感染症の影響は小さくなるものと思われる。今後、ケース集積に尽力し、また、これまで研究機関に入っていない医療機関へも研究協力を依頼していく予定である。
|