研究課題/領域番号 |
21K11322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京医療学院大学 |
研究代表者 |
内田 学 東京医療学院大学, 保健医療学部, 准教授 (80531475)
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研究分担者 |
山口 育子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 准教授 (00645468)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 円背 / 呼吸機能 / 嚥下機能 / 姿勢異常 / 頭部前方変位 / パーキンソン病 / 嚥下筋 / 誤嚥性肺炎 / 筋強剛 / 咳嗽 |
研究開始時の研究の概要 |
PDの誤嚥に対する問題は咳嗽力の低下であり予備研究においてもcough peak flowが制限されていた.咳嗽には声門閉鎖が要求されるが胸骨甲状筋,甲状舌骨筋の筋活動が甲状軟骨を運動させて声帯を緊張させる機構が重要となる.しかし,前述した咽頭筋の強剛が機能障害を形成し咳嗽を制限させる因子になる.PDの咳嗽力は体幹の強剛が原因と捉えられているが嚥下筋の一部である舌骨下筋の機能障害と咳嗽の制限を関連付けて評価する必要性がある.嚥下筋の協調作用と咳嗽力との関係性は介入がなされずに一般的な介入が処方されている.本研究では,PDの嚥下筋協調性活動に与える影響について量的,質的の両面から検討する.
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研究実績の概要 |
2022年度は、パーキンソン病に特徴的な脊柱の円背条件を健常者にて疑似的に固定し、その円背条件が呼吸機能と嚥下機能に影響を及ぼすかどうかについて検討を実施した。当初、計画していた実際のパーキンソン病患者での測定は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、現場での測定が困難であった為、作業自体は遅れている。健常成人94名を対象に、研究を実施した。健常者で円背姿勢を模擬的に作成する指標は、先行研究に規定されたvertical position (round-back index 9.2 ± 2.5), moderate kyphosis (17.9 ± 0.7), and severe kyphosis (20.2 ± 1.3)と設定し、それぞれの条件で呼吸機能と嚥下機能、嚥下筋の表面筋電図学的解析を実施した。呼吸機能としては、肺活量、対標準肺活量、最大咳嗽流速、嚥下機能としては、舌圧、オトガイ舌骨筋の表面筋電図を活用した積分値を参考値とした。重度円背条件では、呼吸機能と嚥下機能の両面に制限をきたし、円背条件の姿勢の影響を受ける事が示唆された。円背姿勢は、骨盤の後傾に伴い脊柱の後弯を形成する。同時に姿勢反射の一環で重心を調整する為に頭部前方変位が生じる。この2つの条件は、呼吸機能としては腹部臓器が横隔膜を上方に押し上げる事から制限が生じる事と肋椎関節の運動制限が想定される。嚥下機能としては、頭部前方変位によるオトガイ舌骨筋の伸張が最も大きな要因であると推察される。今回の検討は健常成人を対象としており、パーキンソン病の機能的な要因は加味されていない。今後は、対象をパーキンソン病にした検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画では、本年度はパーキンソン病患者の構造的特徴と呼吸、嚥下機能を測定する予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症の影響を多大に受けてしまい、対象となる医療機関、介護保険機関への入館が制限され、加えて同意書を交わしていた患者が感染症に罹患してしまい、長期間の離脱、他界などが継続していた。病院への入館がいまだに解除されていない施設もあり、著しく研究計画が遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、新型コロナウィルス感染症も5類へ引き下げられた事で、医療機関への入館が円滑になる事を期待している。まずは、同意書を交わしていたパーキンソン病患者の現状の把握作業から開始する。以前の状況と大きく異なっていなければ、今年度に測定を実施する。変化が生じている場合は、除外基準に合致するかどうかの判断を主治医と進める。
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