研究課題/領域番号 |
21K11325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
東本 有司 近畿大学, 医学部, 教授 (70316115)
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研究分担者 |
白石 匡 近畿大学, 大学病院, 技術職員 (20832827)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 吸気筋トレーニング / 横隔膜機能 / 横隔膜移動距離 / 呼吸リハビリテーション / COPD / 超音波診断装置 / 超音波画像診断装置 / 横隔膜 / 運動負荷試験 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,呼吸リハビリテーション(以下呼吸リハ)の効果に関するエビデンスは数多く報告されいるが, IMTの効果や適正な負荷圧の設定方法は確立されていない.横隔膜はIMTにより増強される最も重要な吸気筋の1つであるが、横隔膜機能の評価をIMTの負荷圧設定に利用した報告はない.本研究では,短期間IMT実施後の横隔膜移動距離増加量が最大となるIMT負荷圧を適正負荷圧であるとの仮説のもとに遂行する.横隔膜移動距離は侵襲の少ない超音波診断装置で計測する.
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研究実績の概要 |
背景:吸気筋トレーニング(IMT)はCOPD患者の吸気筋強化のために有効であることは報告されている。しかし、吸気筋としてもっとも重要な横隔膜機能に対するIMTの効果は報告されていない。昨年度の研究テーマとして、横隔膜最大移動距離(maximum diaphragmatic excursion: DEmax)に対するIMTの効果について検討した。 方法:近畿大学病院において、単施設無作為化比較試験を実施した。当院に通院中の38名の安定期COPD患者を対象とした。すべての対象者に12週間の標準的な外来呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)を実施した。その後、対象患者を無作為に、IMT実施群(IMT群)とIMT非実施群(非IMT群)に分けた。両群とも2週間ごとの低頻度の呼吸リハを実施した。IMT群は自宅において12週間のIMT訓練を実施した。一方で、非IMT群はIMT訓練を実施しなかった。測定項目は心肺運動負荷試験(CPET)、6分間歩行試験、CAT、呼吸機能を群分け時とIMT訓練終了後に両群で評価した。 結果:38名の対象者のうち、33名がプログラムを完遂できた。IMT群は15名、非IMT群は14名がプログラムを完遂できた。DEmaxは、IMT群で有意に増加した(50.1 ± 7.6 mm to 60.6 ± 8.0 mm, p < 0.001)が、非IMT群では有意な変化はなかった(47.4 ± 7.9 mm to 46.9 ± 8.3 mm, p = 0.10)。CPETで測定した最大酸素摂取量(peak VO2)の変化量は非IMT群に比較して、IMT群で有意に高値であった(p < 0.01)。 結論:標準的な呼吸リハプログラムを終了後に実施するIMT訓練は横隔膜機能を改善することが分かった。DEmaxはIMTの新たなアウトカム指標になる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症のため、外来リハビリテーションが実施できていなかったため、計画が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
IMTの長期効果についても集計していく予定である。
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