研究課題/領域番号 |
21K11338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
渡邉 泰典 仙台大学, 体育学部, 准教授 (50638418)
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研究分担者 |
稲垣 良介 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (20583058)
森山 進一郎 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60386307)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 熱放出低減姿勢 / 河川 / 深部体温 / 選択的行動 / 女性 / 着衣泳 / 浸水範囲 / 体温低下 / 水泳教育 / 溺水防止 / 体温変化 / 冷覚変化 |
研究開始時の研究の概要 |
水難事故では,浸水による体温低下が生命の維持に直結する.着衣泳は,教育現場で広く実施される.しかしながら,実際,今日の着衣泳指導は,衣服による抵抗の変化にのみ着目されており,体温変化の視点が欠落している.本研究では,体温低下(客観)と,ヒトが「寒い」と感じる冷覚認知(主観)との関連を考慮に入れた新たな着衣泳プログラムを開発を目指す.
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研究実績の概要 |
令和5年度は、2つの研究を実施した。1つ目は、冷水下での体温保持に有効とされる「熱放出低減姿勢」に替わる新たな対処法を提案するため、両手で頸部を覆うことが深部体温の低下を軽減するか検証した。調査は室内温水プール(水温:20.6℃、水深:0.6 m)で実施した。健康な男子大学生15名が本研究に参加した。15名のうち7名は両手で首を覆い(CN群)、8名は首を覆わず(w/o CN群)に顎を水面の高さに保つようにして水中にとどまった。深部体温はピル型センサを用いて消化器内温度を測定し、腋窩温度はボタン電池型センサを用いて腋の皮膚表面温度を測定した。 検証の結果、深部体温の上昇率と下降率の比較では、下降率のみCN群がw/o CN群と比較して有意に大きかった。同様に、腋窩温度でも、下降率のみCN群がw/o CN群と比較して有意に大きかった。加えて、腋窩温度の総温度下降は、CN群がw/o CN群と比較して有意に大きかった。よって、両手で頸部を覆うことは、おそらく腋窩からの熱損失により深部体温に悪影響を及ぼすことが示唆された。 2つ目は、河川で「何もせずに救助を待つ」ことと「手足を動かして水中を移動する」の2つの異なる行動の違いが、成人女性の深部体温の変化に及ぼす影響を検証した。調査は岐阜県長良川にて実施した。健康な女子大学12名が本研究に参加した。気温は30.2~37.1℃、WBGTは28.9~29.1℃、水温は27.0~27.5℃、水の流速は0.62~0.84 m毎秒であった。衣服はTシャツとハーフパンツ(いずれも綿100%)とした。深部体温は、ピル型センサを用いて消化器内温度を測定した。 検証の結果、60分間浸水した後の深部体温の変化値は、手足を動かして水中を移動する(-0.26±0.62℃)が、何もせずに救助を待つ(-0.84±0.39℃)より深部体温の低下が有意に抑制された。
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