研究課題/領域番号 |
21K11341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 植草学園大学 |
研究代表者 |
遠藤 隆志 植草学園大学, 発達教育学部, 准教授 (80510594)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ニューロモデュレーション / トレーニング / 伸張性運動 / 経頭蓋直流電流刺激 / 運動パフォーマンス / 皮質運動野 / 運動制御 |
研究開始時の研究の概要 |
筋が収縮しながら引き延ばされる伸張性筋収縮によるトレーニングでは、一般的なトレーニングで用いられる短縮性筋収縮によるトレーニングよりも筋力などの運動機能が向上し、この要因として、脳を中心とした中枢神経系の改善(適応)も大きく関与することが示唆されるが、その詳細な機序などは不明である。そこで、皮質運動野の興奮性を修飾可能なニューロモデュレーションを与えた後に、低負荷の伸張性筋収縮によるトレーニングを行い、これを継続的に実践することで筋力や筋持久力などの運動パフォーマンスの向上を促通できるか検証する。また、様々な神経生理学的検査を行い、このトレーニング効果の詳細な中枢機序についても明らかにする。
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研究実績の概要 |
本年度はトレーニング効果の面で未解明の点が多い伸張性サイクルトレーニングの効果の検証を前年度より引き続いて行った。トルクモーターを改良をした自転車エルゴメータ(ストレングスエルゴ240)を用いて、軽負荷の伸張性ならびに短縮性筋収縮によるサイクリングトレーニングの効果について検証を行った。伸張性もしくは短縮性サイクリングトレーニング群にランダムに分けられた健常被験者(各13名)は、1回のトレーニングにおいて最大ペダリングパワーの20%の負荷で10分間のサイクリング運動(50回転/分)を片脚で3セット行い、1週間に2-3回の頻度で合計6回トレーニングを行った。このトレーニング期間の前後に最大ペダリングパワー、膝伸展筋力および30秒間全力ペダリング運動などの運動パフォーマンスの計測を行った。その結果、トレーニング中の心拍数は伸張性サイクリングトレーニングの方が短縮性サイクリングトレーニングに比して有意に低く、同じ負荷であっても、伸張性サイクリングトレーニングは循環器系への負担が軽減されることが示唆された。一方で、最大筋力やパワーなどの運動パフォーマンスについては、トレーニング期間後において増加傾向が認められたが、有意な変化は見られず、トレーニング係数やトレーニング方法について更なる検討の必要性が示唆された。そのため、新たに慣性車輪を用いたフライホイールトレーニングのトレーニングマシン(LegExx)を導入して伸張性ならびに短縮性トレーニングを行う方法ならびに適切な負荷の検証についても開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度、新型コロナウイルス感染症の蔓延ならびにその防止のため、実験の開始が大幅に遅れた。この影響が大きくかつ継続したため、今年度についても当初の研究計画からは大きく遅れることになっている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度まで行ってきた伸張性サイクリングトレーニングならびにフライホールを用いた伸張性トレーニングの負荷や方法に関する検証を更に重ね、ニューロモデュレーションと組み合わせるトレーニングプロトコルの作成のための検討を行う。神経系の適応を引き起こすために最適なトレーニングプロトコルの作成後に、速やかに経頭蓋直流電流刺激を用いたニューロモデュレーションと組み合わせたトレーニング実験へ移行する予定である。
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