研究課題/領域番号 |
21K11350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
田中 佑人 大阪歯科大学, 歯学部附属病院, 准教授 (10711038)
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研究分担者 |
冨田 洋介 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (10803158)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 噛み締め / 脳振盪 / スポーツ歯学 |
研究開始時の研究の概要 |
噛みしめが、予測不可能な外乱刺激の結果として生じる頭部の加速度や、姿勢制御にどのような影響を及ぼすかを検証することを目的とする。対象は被験運動に影響を与える可能性のある筋骨格系または神経筋調節機構に異常をきたす疾患・症候群の罹患がない健常者20名とする。予測不可能な外乱刺激として、先行研究の方法に準じて、総腓骨神経に最大上電気刺激(誘発した筋電図の振幅がそれ以上大きくならないような最大刺激以上の強さとする)を 8~10 秒間隔でランダムに与えて、長腓骨筋および前脛骨筋を不随意収縮させることにより外乱を誘発する。
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研究実績の概要 |
スポーツ活動中に体に強い衝撃を受ける場面で噛みしめを行うと、頭部にかかる加速度を減らすことができることが報告されているが、過去の文献のほとんどが、噛みしめの指標として、閉口筋の筋活動量のみを採用しており、咬合接触を評価していないため、被験運動中の噛みしめを正確にモニタリングできていない可能性が考えられる。そこで申請者は、閉口筋のみではなく、開口筋の活動量と咬合接触を同時に測定することで、被験運動中の噛みしめを正確にモニタリングすることを試み、身体への予測可能な衝撃負荷を加えた時の頭部加速度の減少に対する噛みしめの影響を明らかにすることを目的としている。被験者に噛みしめの指示をしなかった場合と、指示をした場合とで、衝撃負荷を加えた時の被験者の頭部加速度を比較検討している。その結果、被験者が噛みしめを指示されなかったとき、被験者は、衝撃負荷時に、開口筋と閉口筋を共収縮させ、その間咬合接触はみとめられなかった一で、被験者が噛みしめを指示されたとき、噛みしめを指示されなかったときと比較して、衝撃負荷時の開口筋の活動も頭部加速度にも有意な違いはなかったことを明らかにした。結論として、わずかに上下の歯が離れた下顎位(咬合接触なしで開口筋と閉口筋を共収縮させた顎位)は、予測可能な身体への衝撃負荷時において、本質的な顎位である可能性ある一方で、噛みしめは、わずかに上下の歯が離れた下顎位以上には、頭部加速度に影響を及ぼさなかった可能性が示唆された。また、身体への衝撃負荷時の開口筋の活動は、噛みしめの指示をしなかった場合も指示をした場合も同様であったことから、閉口筋の活動や咬合接触に関係なく、開口筋が身体への衝撃負荷時に重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りの被験者数に達しており、得られたデータの解析も終了している。今後は国際誌への投稿を目指す段階に達している。2021年度から2023年度の研究期間内で、2023年4月時点で到達すべき目標を達成していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、噛みしめが身体への衝撃負荷時の頭部加速度へ及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。歯科的、整形外科的に問題のない若年者 7 名を対象とした。咬筋、顎二腹筋の筋活動は表面筋電計を用いて、咬合接触圧は圧力測定システムを用いて、頭部加速度は加速度計を用いて測定した。被験者に振り子荷重装置で衝撃を加えた。実験条件は、噛みしめの指示をした場合、指示をしなかった場合の2 条件とした。評価項目は、咬筋と顎二腹筋の活動の、開始、最大増加量および最大活動時期と、頭部加速度の、開始、最大値、および最大値を迎えた時期とした。各評価項目を、筋肉間(顎二腹筋 vs 咬筋)と条件間(噛みしめ指示なし vs 噛みしめ指示あり)で比較を行った。予定通りの被験者数に達しており、得られたデータの解析も終了している。今後は国際誌への投稿を目指す。
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