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水の流体力学的特性を活かした被牽引泳練習法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K11360
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関東京学芸大学

研究代表者

森山 進一郎  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60386307)

研究分担者 荻田 太  鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (50224134)
渡邉 泰典  仙台大学, 体育学部, 准教授 (50638418)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード流体力学 / 水抵抗 / 手部推力 / 超最大速度 / 牽引 / 水泳 / 推力 / クロール / トレーニング / ストローク指標 / 動作分析 / 抵抗
研究開始時の研究の概要

人為的に水中で人を牽引することによって、身体を浮かす効果が得られる。これを利用することによって、未熟練者の水泳時の姿勢や動作を人為的に変化させうることが予測され、泳技能の向上に役立つ練習手段となると仮説を立てた。本研究は、被牽引泳を用いた水泳練習法を確立することを目的とし、以下に示す3つの課題を設定する。
①水泳選手を対象に、被牽引泳が動作、推進力や抵抗等の力学的指標に及ぼす影響の解明
②一般泳者と水泳選手を対象に、被牽引泳が力学的指標に及ぼす影響の解明
③被牽引泳練習法が、異なる泳技術を有する泳者への泳技術改善に及ぼす効果の検証

研究実績の概要

本年度の成果として、(1)競泳選手を対象とした被牽引泳は泳者のストローク協調指数に影響を及ぼさないこと、および(2)非競泳選手を対象にゴムチューブを用いた被牽引泳トレーニングの即時効果として、キネマティクス指標はほとんど変化しないが被牽引後にリラックスした感覚で泳げるようになることがそれぞれ明らかとなった。
(1)14名の大学男子競泳選手を対象に、25mクロール泳を被牽引有(A-swim)および被牽引無(N-swim)の条件にてゆっくり、中間および最大の三段階の努力度にて実施した。測定項目は、泳速(v、m/s)、腕をかく頻度(SF、Hz)、左右1かきで進む距離(SL、m)および両腕による推進局面の重複指数(IdC、%)とした。結果として、vとSLには有意な交互作用が確認され、A-swim時で高い値であった。加えて泳速は努力度と共に有意に上昇し、SLは逆に低下した。SFとIdCに有意な交互作用は確認されなかったが、努力度とともにSFは有意に上昇し、IdCは有意に低下した。結論として、A-swimはvとSLを高めるものの、IdCに影響しないことが明らかとなった。
(2)15名の25m可泳程度の泳力の一般学生(男性9名、女性6名)を対象に、ゴムチューブを用いた被牽引泳トレーニングの即時効果を検証した。実験は間に2日間以上の間隔を設けて2日間実施し、1日に1つずつの条件(被牽引トレーニングの実施の有無)とした。一定のウォーミングアップの後、25mクロールとけのび姿勢保持を2回ずつ、計4回のトレーニングを被牽引有もしくは被牽引無で実施し、トレーニング前後に25mクロールを実施した。測定項目は(1)と同様であった。その結果、トレーニング前後で有意な指標の変化は確認されなかったが、15名中9名の参加者から「被牽引後はリラックスして泳げるようになった」との回答を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、競泳選手を対象に被牽引泳によるキネマティクスの変化をより詳細に分析すること、および非競泳選手を対象としたゴムチューブを用いた被牽引泳トレーニングの即時効果を検証することができた。競泳選手のデータは、2024年度の国際学会にて発表が確定し、査読付きプロシーディングスも受諾された。
一方で、非競泳選手を対象に行った実験より得られた結果の公表は、すべての測定項目の分析が終えられておらず、まだ学会で行う予定を立てることが出来ていない。加えて、既にデータを収集し終えた被牽引泳における手部圧力データの分析について、処理上の問題点(ノイズ除去)の対応に予定よりも多くの時間を要したため、まだ公表出来ていない。
以上の理由より、進捗状況は「やや遅れている」とした。

今後の研究の推進方策

必要な実験のほとんどは終えることが出来ているため、得られた結果を補強するための追加データの収集とまだ分析を終えることが出来ていないデータの整理を進めている。全てのデータの分析が終わり次第、学会での発表や論文投稿の準備を進める。
被牽引泳トレーニングに対して得られている知見は限定的だが、まだそれらがまとめられたレビューは国内外で公表されていないため、被牽引泳トレーニングに関するレビューの執筆も進めている。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] University of Beira Interior/Instituto Politecnico de Braganca/ISCE Douro(ポルトガル)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] University of Beira Interior/Polytechnic Institute of Braganca/ISCE Douro(ポルトガル)

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ASSISTED TOWING DOES NOT AFFECT ARM STROKE COORDINATION IN FRONT-CRAWL SWIMMING2024

    • 著者名/発表者名
      Shin-Ichiro Moriyama, Yasunori Watanabe, Yugo Toyoda, Takeru Hamamichi, Jorge E. Morais, Henrique P. Neiva, Pedro Forte, Daniel A. Marinho
    • 雑誌名

      ISBS Proceedings Archive

      巻: -

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The Impact of Assisted Swimming on Front Crawl Performance2022

    • 著者名/発表者名
      Shin-Ichiro Moriyama, Yasunori Watanabe, Kosuke Masuda, Yugo Toyoda, Jorge E. Morais, Pedro Forte, Henrique P. Neiva, Daniel A. Marinho
    • 雑誌名

      Journal of Men's Health

      巻: -

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] ASSISTED TOWING DOES NOT AFFECT ARM STROKE COORDINATION IN FRONT-CRAWL SWIMMING2024

    • 著者名/発表者名
      Shin-Ichiro Moriyama, Yasunori Watanabe, Yugo Toyoda, Takeru Hamamichi, Jorge E. Morais, Henrique P. Neiva, Pedro Forte, Daniel A. Marinho
    • 学会等名
      International Society of Biomechanics in Sports Conference 2024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] アシスト牽引泳における牽引力の違いがパフォーマンスにおよぼす影響:泳力レベルの異なる2名の大学男子競泳選手における手部推力に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      森山進一郎、渡邉泰典、豊田郁豪、濵道健
    • 学会等名
      東京体育学会第14回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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